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映像学区のような動くテロップ(Lower Third)の作り方
ローワーサードとは 紹介文を動画に載せたい時、画面隅に図形付きのアニメーションテロップを使うことがあります。このようなアニメーションは「ローワーサード(Lower Third)」と呼ばれており、TV番組やYouTubeなどさまざまな媒体で使用が見られます。 『ゆっくり映像学区』の動画でも、最初期から変わらず登場しているエフェクトです。視聴者に「これだけは覚えて帰ってほしいな」という内容を伝えています。 制作に必要なもの 普段私はAviUtlを使ってスタイリッシュなローワーサードを制作しています。拡張編集の入ったAviUtl以外に、特殊なプラグインは必要ではありません。ただしイージング系のスクリプトがあるとクオリティが爆上がりします。余裕があれば導入をおすすめしています。以下参考リンクです。 ・【Aviutl】7年目にして今更だけど、イージングバグってたから更新した|undoFishさん ・AviUtl、トラックバー対応イージングスクリプト 2020版|FLAPPERさん 制作手順は、YouTube動画(3:00~)で説明しています。
映像×心ときめく宇宙|アルテミス計画
巨大ロケット:SLS アメリカ航空宇宙局(NASA)の『アルテミス計画』は、月や火星へと人類を送り届ける国際プロジェクトです。アポロ計画から半世紀以上経った今、多くの人がワクワクしていることでしょう。スペースシャトルが引退して以来ひっそりしていた壮大さが、また帰ってきてくれたような感覚です。 出典:NASA 月まで向かうための大型ロケット「アルテミス1号」の打ち上げが、2022年中に予定されています。1号は無人で月を周回する試験飛行です。続く2号からはいよいよ宇宙飛行士が乗り込みます。 アルテミス1号の打ち上げ予定日は何度か延期されており、執筆当時で「日本時間9月4日 未明」の見込みだということです。 ※朝日新聞より、2022年8月31日。(https://www.asahi.com/articles/ASQ8033KVQ80UHBI00W.html) 映像は、宇宙へのロマンを支えてきた。 国際プロジェクトという言葉が示すとおり、現代では世界中の国々が叡智を結集して宇宙開発に挑んでいます。しかし、史上はじめて月に降り立った「アポロ」の時代では、取り巻く情勢が今と違いました。当時はまだ冷戦時代。西側と東側が宇宙を巡って、激しくしのぎを削っていたからです。 当時の宇宙開発は、国威発揚やプロパガンダの意味合いも強かったのではないでしょうか。そういった発信には、「映像」が効果抜群でしょう。実際アポロ13号の月面着陸は、全世界にテレビで生中継されたことで有名です。 もっとも今となっては、国家間の宇宙開発競争は昔話になりました。しかし宇宙に関する映像は発信され続けています。時代を超えて、宇宙の映像は私たちのロマンを描きだす、純粋なエンターテインメントに近づいたと思います。 今日は、私がこれまで感銘を受けた宇宙映像をいくつかご紹介します。 NHK『コズミックフロント』 BSプレミアムで放送されている『コズミックフロント』シリーズは必見だと思います。CGを織り交ぜながら、最新の天文科学を分かりやすく教えてくれます。 コズミックフロントの素晴らしさは、美麗な映像だけではありません。壮大な音楽によって毎週毎週、宇宙へのロマンを思いだすことができるのです。とくに『コズミックフロントNEXT』のテーマ曲「Encounter in Space」は至高といえます。映像とおなじくらい、音は重要だと教えてくれるドキュメンタリーです。 数あるコズミックフロントの放送回の中でも、カッシーニ回・ベテルギウス回は傑作といえるでしょう。どちらも消えゆく"天体"を追った、宇宙の儚さを象徴するようなテーマです。天文に疎いとしても、ストーリーに心を揺さぶられます。 ※カッシーニ:人工衛星。長期にわたる惑星探査を終えたのち木星へ突入。グランドフィナーレを迎えた。※ベテルギウス:オリオン座の恒星。星の一生の終わり =「超新星爆発」の時期が近づいている可能性がある。 Space X Space X は世界を代表する商業宇宙開発プロジェクトで、「Starship」「Dragon」といった移動手段を次々と生み出しています。その中でもロケットの着陸・再発射を目指す「Falcon」は斬新です。 ブレなくロケットを追従する実写映像に、近未来的なインタフェースデザイン。ゲーム画面のような雰囲気で配信される映像は、現実を超越しているかのようです。どれもロケットの打ち上げを盛り上げます。 Artemis I いま最も注目の宇宙プロジェクト「アルテミス計画」でも、映像に抜かりがありません。NASAのYouTubeチャンネルを覗いてみましょう。Epicな音楽とともに、発射準備の整ったSLSロケットが映っています。タイトルは「We Are Ready」。シンプルながら、目が覚めるほどカッコいい英語です。 次回の記事もお楽しみに!
AdobeのCMみたいな予告動画を作ってみた感想
『PVSF』という動画投稿イベントが2022年8月に開催されました。今回は、以前コラボしたこともあるRyutoさん( @ryuto_tkg )よりお誘いをいただき、撮影と予告編制作で関わりました。 PVSFの魅力はとにかく自由であることです。開催中は、実写からCGまでジャンルを問わず動画を募集していました。また、どちらかといえば競技というより「ともに高め合う」という意味合いが強いです。私はこの雰囲気が大好きです。 本編映像はこちらから → https://www.youtube.com/watch?v=vA23IwGn4Es 企画とカラー周りについて 予告編ではカメラワークと実写のメッセージを重視することにしました。撮影では3人のメンバーでカメラを持っていったため動画素材は豊富にあります。撮影場面をポップに表現することで、「写真旅」の楽しさをお伝えしたいと思いました。したがってテキストアニメーションは特に入れていません。 ※実は「DaVinci Resolveでアニメーション組むのが面倒だった」というのも理由の1つ。Fusionキライ...... 本編のカラーグレーディングに備えて、素材は4:2:0 10bitのF-logで収録しました。普段のHLG素材と比べると、暗部の処理に手こずりました。夏の楽しい雰囲気を再現したかったので、グレーディングとトランジションは激しめの設定です。 カモメが鳴いている海辺のシーンだけはHLG収録しています。(※カモメの音はフリー素材) HLGのほうがLogよりも、彩度の高いグレーディングのときにラクです。ただし元気な動画に混ぜると、若干B級映画臭くもなりました。私はもう少し真面目にグレーディングを学ぶ必要がありそうです。 エフェクトについて トランジションは、DaVinci Resolveの基本的なモノだけを使いました。撮りためてから編集する作品(Vlogとかドキュメンタリーとか)は大抵の場合、フェードかそれに準ずるトランジションを入れておけば解決します。あまり高度な切り替えは、展開を妨げてしまうからです。 エフェクトは少なめですが、グレーディング時にかけています。下がその一例です。「ブラー(ズーム)」を外周にかけることで、視線を中央のレンズに集中させています。建物のようなノイズとなる要素が多いので、ぼかすことにしました。 この予告編、どうもAdobeのCMに雰囲気が似ていると思います。 この「Adobe感」はおそらく、僕の技術というより音楽が生んでいるものです。Artlistで「POP」や「Vlog」などと調べると、カンタンに陽キャっぽい曲に出会えるのでオススメです。動画の中で音楽が担う要素って大きいですよね。 次回の記事もお楽しみに!
厳冬と色彩の宗谷を目指して(2)|Velviaで撮る最北端のマジックアワー
厳冬のオホーツク海沿いを駆ける 北海道縦断の旅は2日目。旭川市を朝に出発し、私たちはずっと国道を北へ進んできました。日本本土最北端の地「宗谷岬」まではもうすぐです。夕暮れの差し迫る時間となってきました。 できれば日没前に絶景を一目見たいところです。人もほとんど歩いていない冬の雪道を進んでいると、レンタカーの側面もこんな状態に。いつ滑ってもおかしくない道中、ドライバーを担当した仲間のテクニックに助けられています。 国道238号線の猿払地域を通過しています。 このあたりでは、漁港の街を通り過ぎては、小高い峠を登る道のりを繰り返します。すこし内陸部へ車を走らせると、風車の立ち並ぶ丘陵を経由して稚内市へ短絡する道路があります。夏に北海道を訪れると、心が晴れるような素晴らしい景色に出会えそうですね。 宗谷岬に到着しました 日本で最北のガソリンスタンド。この出光の石油店を通り過ぎると、宗谷岬の公園は目の前です。 夕暮れぎりぎりになんとか間に合いました。この時間帯は「マジックアワー」といって、映像表現がいちばん映えるコンディションです。観光地のハズですが季節のせいか、歩いている人は私たちだけ。雄大な景色を独り占めした気分です。 モニュメントが夕陽に輝きます。とんでもなく風の強い空間です。 こういう景観では多少レタッチを盛っても許されそう。長い写真旅における最大の魅力は、ちゃんとした場所にいけばちゃんとした写真が撮れるってことだと思います。都市のスナップとは明らかに撮り方が違いますし、心が満たされ具合も遥かに違います。 撮影には「XF 10-24mmF4」と「XF 56mmF1.2」を使用しました。超広角が構図面で威力を発揮します。レタッチできるとはいえ、センサーがAPS-Cなので構図勝負になってきますね。 江戸時代のこと、樺太が島であることを認識した人物が間宮林蔵です。林蔵に由来して、宗谷岬とロシアのあいだにある海峡は「間宮海峡」と名付けられています。日本の地理に貢献した彼に敬意を払いつつ1枚。 気がつけば空が真っ暗になり、南東の空に月がのぼってきました。藍色の空が私たちを次の撮影地へ誘います。次回は市街地の広がる稚内市内を経由して、冬の鉄道名物「ラッセル列車」を特集する予定です。
※注釈を入れると動画の質感がなんとなく上がる気がする(珍味)
ここ何本かのゆっくり写真旅で、ひそかに楽しんでいるのが「※(注釈)」の追加です。 テレビやYouTubeで放送されるCMの画面下には、よく注釈が並んでいます。この注釈のことを日本の法律では「打消し表示」と呼ぶそうです。誇大広告を防ぐためのルールに対して沿うように文章化されています。注意書きをCM内で読み上げる暇はないので、こうやって小さな文字で書いておくわけです。 クレーム回避・法律へのつじつま合わせなどと、ネガティブな印象を持たれる方も多いとは思いますが、「映像のデザイン技法」として見るとなかなか面白い文化なのではないかなと思います。もはや小さい「※」を入れる習慣は、一周回って「動画のデザインレイアウト」の1つとして馴染んでしまったのではないでしょうか。 映像学区ではとくに後ろめたい注釈を入れているわけではないですが、飾りとして動画に取り入れています。デザインの整う感じがするからです。日頃からテレビのフォーマットに目が慣れているせいかもしれません。 もっとも、私たちが小さいテキストを映像で目にする機会自体、今後徐々に増えると思っています。モニターの解像度が飛躍的に向上して、4K・8K・12Kの上映が可能になったからです。実際、4K放送の登場した現在では、テキストサイズの小さい番組も徐々に増えているような感覚があります。 たとえば、NHKで放送されたドラマ『17才の帝国』のEDクレジットは、いかにも「4K8Kで作ってからダウンコンバートしました」というメッセージを感じるテキストサイズでした。限界まで小さい文字ではあるんだけれども、決して読めないわけではない。小さい文字でも意外と読めるんですよね。 ※映像学区では、制作した4K映像をFHDモニターで覗いてサイズ感を決めています(これで良いのかは分からない)
撮って出しにこだわった写真旅で気づいたこと。
「SOOC」という写真文化を考える。 SOOC ( - Straight Out Of Camera )という海外写真界隈の文化をご存知でしょうか。これは日本語でいう「撮って出し」のことで、カメラから吐き出されるJPEG画像をそのままSNSに投稿することを意味します。 このJPEG画像と対局にあるのが「RAW画像」です。これはカメラのセンサーが受け取った莫大な情報量を記録できる、文字通り"生"のファイルです。RAWで記録しておけば、レタッチ(加工)しても色が崩れにくいという利点があります。その反面、JPEGよりもファイルサイズが大きいです。 RAWを撮ったほうがイイに決まっている、と思われるかもしれませんが、いつもそう上手くはいかないものです。たとえば速報用の報道写真ではレタッチをしている暇もないと聞きます。その急ぎっぷりはすさまじく、各メーカーのフラッグシップカメラには高速送信用のLANポートが付いているほど。急ぐ分野ではSOOCをきたえるしかありません。 SOOCには、1台のカメラが見たありのままの色を伝える表現力があります(もちろん必ずしも人間の色覚と一致するとは限りませんが……)。これは報道(Journalism)以外でも、鉄道編成写真や写実的なストリートスナップに役立ちます。 カメラから手を加えずに投稿するSOOC。その難しさはとにかく「撮影時に完成させなければならない」ことです。構図や露出に加えて、色・陰影・光線・気象などを考え続けなければなりません。なかなかハードですね。 私はこれまでの写真旅で、RAWからのレタッチを欠かすことはほとんどありませんでした。「多少ミスをしてもカバーできる」と思っていたほうが、ラクに旅できるからです。とはいえ、そんな”甘え”のような状態ばかりでいいのか、という若干の後ろめたさはあります。 たまにはハードな撮影をしよう。 レンズレビューというきっかけ。 2022年7月に投稿したゆっくり映像学区『17-70mm F2.8』の回は、株式会社タムロンさんより発売前のレンズをお借りしたレビュー動画でした。素敵な機会を本当にありがとうございます。 発売前のレンズですから「Xマウントボディとの組み合わせだと、どんな色合いで撮影できるのかな」とチェックしたい視聴者さんもいらっしゃることでしょう。したがってこの動画では、あまりごまかしを加えてはならないなと思いました。実は過去の映像学区ではしょっちゅう編集でごまかしを加えていたのですが、みなさんはお気づきでしたでしょうか? レタッチへの一種の甘えを意識したうp主は、ここで1つの挑戦をすることにしました。あえて全くレタッチをしない、SOOCストリートフォト動画の制作に取り掛かったのです。 …と、ここまで勇ましい言葉を並べたものの、実はそれほど難しい挑戦ではありませんでした。なぜなら、富士フイルムXマウントのカメラとTAMRON 17-70mm F2.8が、とてもSOOCに向いていたからです。 まず富士フイルムのカメラには「フィルムシミュレーション」が付いており、JPEGへのサポートが強力です。これはJPEGの色味をコントロールする機能であり、基本的に「PROVIA」「Velvia」「ASTIA」を使用すればきわめて自然な色のJPEGを記録できます。 ※光の具合でどうしてもうまくいかないときは「ACROS(モノクロ)」を使いました。 そして、TAMRON17-70mm も素晴らしいレンズです。派手なボケ表現ができない分、ストリートスナップの構図を組むことに集中することができます。「コンパクト・明るさ・手ぶれ補正」のバランスがとれているレンズなので、どちらかといえば街中よりも薄暗い森の中で使いたいと思いました。
厳冬と色彩の宗谷を目指して|Classic ChromeとVelviaで撮るオホーツクの風景
道央道・国道40号線を北上する。 厳冬の北海道を旅する写真旅。2日目は旭川市内から国道をひた走り、最北の地「宗谷岬」をめざします。北海道の霞んだ冬空が印象的な朝です。途中の旭川~士別までと、名寄~美深までの区間は高速道路を使います。 雪は綺麗に道路わきに追いやられており、走りやすい1日でした。 道路の上に、見慣れない矢印の標識が登場します。 これは雪による視界不良のときに、路肩の場所をおしえてくれるサインです。その一部は夜間に誘導灯としても機能します。かなり整備されている道路とはいえ、雪や急な気象の変化は道外からの観光ドライバーを苦しめます。 開けた土地では、山からの風が止まることなく吹き荒れます。そのため道路には、地吹雪を抑えるための「防雪柵」や「防雪林」が並んでいます。幸い今日は快晴で、お世話にならずに済みそうです。 冬場は景観を妨げてしまう防雪柵ですが、夏シーズン中はカンタンに分解できるような構造になっているそうです。 国道の脇を走るJR宗谷本線の列車を撮るために、美深の踏切に立ち寄りました。お目当ては昼間に運行される除雪列車「宗谷ラッセル(通称)」です。長い宗谷本線を南北2区間に分けて、除雪列車が運行されています。 しかしあまりにも天気がいいため、ついにラッセルがやってくることはありませんでした。 撮影準備の風景です。雪壁のせいでなんだか乱入撮影みたいに見えますが、線路からは距離をおいています。右から2番目が私の機材。X-T3 + XF100-400mm。 いわゆる"撮り鉄カー"に同乗したのは久しぶりですが、やはり荷物が多いなぁと思いました。これでも必要最低限をトランクに積んでいるのですから驚きです。大きな脚立と三脚が目を惹きます。 しばらく走ると、音威子府村に到着しました。「音威子府そば」という黒い蕎麦が有名です。 北海道を代表するコンビニ「セイコーマート」で一休み。 セイコーマートの食の充実っぷりは、事前に聞いていたとおりでした。個人的には味はもちろん、コストパフォーマンスのほうに感動しています。スパゲッティ・お弁当・総菜の種類が豊富で、他のコンビニより少しコンパクトなんです。値段が1品¥200くらいなので、軽食をとりたいときに重宝しました。ボリュームの調節が自由自在です。 商品ラインナップもさることながら、その出店規模もすさまじい。音威子府村のような人口減少に悩む地域であっても、躊躇なく出店してくれています。旅行者はぜひ立ち寄るべきコンビニです。 音威子府村からオホーツク海へ かつての音威子府駅からは、今ある「JR宗谷本線」のほかに「JR天北線」という鉄道路線が分岐していました。宗谷本線が山の中を稚内方面まで超えていくのに対し、天北線は東のオホーツク海に沿って走り稚内へ向かいます。 ここからは国道を乗り換えて、かつての天北線沿線をめぐります。 さきほどからすれ違う車が減ってきています。そして道路を歩いている人もほとんど見かけません。代わりにシカが歩いていました。夜に出会いたくない動物たちです。 乾燥した雪原が広がります。おそらく夏シーズンのみ姿を現す「林道」「4桁道道」などが、どこかに隠れているはずです。このあたりを少し入ると未舗装道路などがいくつかあって奥深いです。 一面の銀世界から顔をだす植物があると、思わずカメラを向けてしまいます。 地域を結ぶ路線バスとすれ違いました。 鉄道が廃線となった後に走るバスも、本数はそこまで多くはありません。 風力発電機と、沿岸の漁港。 オホーツク海が見えてきました。ちょうど日が傾く時間です。 FUJIFILMのカメラに搭載されたフィルムシミュレーションについて、冬場は「クラシッククローム」を使っていましたが、一瞬だけ「Velvia」に切り替えます。彩度が一気に上がります。 国道沿いに並ぶ風車たち。 場所にもよりますが、北海道の沿岸部は本当に風が強いです。「おもりをつけているはずのバス停が吹っ飛ばされる」みたいなエピソードを聞いたことがあります。 猿払(さるふつ)を通過。東西冷戦時代の名残で、この辺りには自衛隊の駐屯地が点在しています。崖を見上げると動物の姿が見えました。 宗谷丘陵を向こうに。 風景があまりにも素晴らしいので車をいったん停めました。宗谷の魅力は「岬」と「丘陵」です。風車だけが並ぶ光景は、道北の象徴と言ってもイイでしょう。 一面みどり色に染まった夏の宗谷は魅力的ですが、人を寄せ付けない雰囲気のある冬の丘陵も、遠くから眺める価値があります。私たちはここで何枚も写真を撮りました。 静かに夕日が落ちていきます。次回へ続く。
TAMRON 18-300mm (Xマウント) で飛行場散策
2021年秋に発売された「TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」は、FUJIFILM Xマウントの歴史に大きな一歩を刻む1本でした。このレンズはXマウント向けに作られた初めての「広角から超望遠まで1本でつなぐ高倍率ズーム」だからです。 今回は、株式会社タムロンさんよりご協力をいただき、約1か月間このレンズをお借りしたうえでレビューしました。 YouTube『ゆっくり映像学区』シリーズでは、実際に18-300mm F3.5-6.3を持って飛行場を散策し、一人称視点の撮影風景をお届けしています。当ブログ記事と合わせてご覧ください。 これまで映像学区ではほとんど触れてこなかった換算450mm、そこにはどんな写真が待っているのでしょうか。 TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061) 焦点距離18-300mm長さ125.8mm明るさF3.5-6.3質量620g画角77°24'- 5°30'絞り羽根7枚 (円形絞り)最大径Φ75.5mm最小絞りF22-40最短撮影距離0.15m (WIDE) / 0.99m (TELE)標準付属品花型フード、レンズキャップ最短撮影倍率1:2 (WIDE) / 1:4 (TELE)対応マウント富士フイルムXマウントフィルター径Φ67mm希望小売価格96,800円 (税込) 外観や質感 TAMRONのレンズらしさがある外装です。プラスチック製ながら触り心地のいい本体で、おうちのインテリアにもよく馴染むデザインになっています。 本格的なレンズレビュー動画を作るのは初めてでしたが、レンズ本体を撮影するのもなんだか楽しかったです。 現代的な外観ながら、レトロなFUJIFILM機の雰囲気にも意外とマッチします。 使い心地 18mmから300mmをカバーしながら、レンズ本体の重さはわずか600g台に収まっています。 グリップの薄い FUJIFILM X-T3 と運用しましたが、カメラを片手で握って長時間歩いても、ほとんど負担を感じません。 一緒くたに比較するのもどうかとは思いますが、もしこれが XF100-400mm のようなデカい望遠レンズであれば、翌日の筋肉痛を免れなかったことでしょう。やはり18-300mmは超望遠としては信じられない快適性です。 ズームリングは適度なトルクで回ります。 望遠側でズーム中に若干引っかかりがありますが、気になるほどではありません。 欲張りはよくないですが「やっぱり、絞りリングがほしいなぁ……」と何度も思いました。 →というのも、X-TシリーズのカメラでISO・F値を調節するとき、前ダイヤルを押して交互に切り替える羽目になるからです。これがまぁ誤操作しやすいんですよ。(どっちかというとレンズの機能よりも、FUJIFILM機自体がネックである気がします) 写真撮影|PHOTO ※映像学区は画質評価のプロではないので、詳細な画質については別のメディアも参考にしてください。 画質は、高倍率ズームレンズとは思えないほど美しいです。 たしかに単焦点レンズと比べたら勝敗は明らかですが、私たちがWEB用途で写真を撮ると考えれば、このレンズで撮った写真は「美しい」と評価できます。 正直私は、過去の先入観にとらわれて高倍率ズームレンズを侮っていました。 また、18-300mmは信じられないほど寄れるレンズです。レビュー動画ではステーキの写真で再現しましたが、「こんなに寄っていいの?」と思わせてくれます。…