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ロマンスカーを追う、情熱を追う。
映像学区ドキュメンタリー最新作 鉄道撮影は1つの文化だが、写真に込める思いは人それぞれである。このドキュメンタリーでは、『特急ロマンスカー』の"すれ違い・並び”撮影に情熱を注ぐ1人のクリエイターを取材した。 (作品協力・出演) ぺっちわぁく さん ドキュメンタリーでのインタビュー Q.はじめにカンタンな自己紹介をお願いします。 主に(小田急)ロマンスカーのすれ違いを撮る撮影をしております。 Q.一般的な鉄道撮影との違いを教えてください。 そうですね。まず、撮れないことが多いですね。圧倒的に失敗のカットのほうが多くなるんじゃないかなと思います。例えば(すれ違いを)10回狙ったとしたら、成功1回、多くて2回とか、そんなレベルじゃないかなぁと。 Q.失敗カットの多いなかでも、撮影を続けられる原動力はなんですか。 一般的な編成鉄道写真を撮る人と同じように「撮りたいモノ・撮りたいアングル」があるわけで、撮りたいものがあるからこそ狙い続けるしかないわけです。 すれ違いを狙い始めたのは、ロマンスカー「LSE」がきっかけなんです。「この辺りで並ぶ」ということはわかっていたんですけども、半年間狙い続けて1本たりとも撮れなかったときがありまして、やっと1本撮れた時には嬉しくなりました。そういう経験があったからこそ、今も続けていられるのかなと思います。 Q.撮影に使うツールを教えてください。 (列車の位置を知るために)小田急のアプリなどを有効活用しています。すれ違いは10秒の遅れで場所が狂ってしまうので、見極める必要があるからです。"何分"じゃだめですね、「何分"何秒"にどこの駅を通るか…」とかそういうのを見極めながら、撮影する場所を決めるかたちになります。 去年の5月にCanon EOS 90Dを導入しました。それまでのEOS X6iというカメラと比べて、格段に画質が上がったので、いいカメラを買えたと思っています。90Dをしばらくキットレンズで運用したのち、8月ごろにEF70-300mm(Lレンズ)を購入しました。やはりレンズによって写りは変わりますね。 Q.すれ違い撮影の、流れを教えてください。 だいたい通過10分前から列車が遅れているかどうかを見極めます。通過5分前には場所を決めないといけないので、それまでに移動をしたりカメラの設定をしたりします。10分前から場所を決められることはめったにないので、大慌てな撮影ですよね(笑)。 Q.まるでアスリートのように過酷ですね。 たしかにそうですね。鉄道撮影はアスリートとかプロフェッショナルとか、そういったものに近いと思います。 編成写真では、光線の向きや構図をいろいろ計算したうえで撮影します。すれ違い撮影でいえば「秒単位の読み」なんて、写真始めたての人にはわからないことだと思います。そういうのを極めたという面では、アスリートのようだと言えると思います。 Q.普段から誰のために動画を作っていますか。 やはり自分の記録のためでもありますよね。 観る人が「おぉ」ってなるような動画が出せるんだったら、それでいいかなくらいの感覚です。風景写真や編成写真と違って、「すれ違い」は(魅力や難しさが)分からない人には分からないジャンルだと思うので……。 (すれ違いを撮っている)仲間はたくさんいます。私よりもガチで取り組んでいるような人もいて、時間さえあれば撮っているんじゃないかと思います。そういう人は撮れる枚数が桁違いに多くて尊敬しております。 Q.思い入れのあるロマンスカー車両を教えてください。 やはり数年間追いかけつづけて、つい先日引退したロマンスカー「VSE」ですね。VSEに関しては、難易度MAXじゃないですかね(笑)、並びが撮れたら奇跡くらいなので。 なぜだか分からないんですけど、通勤電車や他のロマンスカーどうしの並びと違い、VSEになると格段に難易度が跳ね上がって。急に撮れなくなります。本当に撮れなくなります。 (インタビュー・撮影:Kotetu、EIZOGAK) 制作後記 ご視聴ありがとうございます。 テレビで放送される作品を見慣れている人にとっては、「ドキュメンタリー = 30分以上の長編」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には短編ドキュメンタリーも世の中にたくさんあります。カメラメーカーの企業CMや新製品紹介も立派な短編ドキュメンタリーといえるでしょう。 ドキュメンタリー映像には「社会の一面をアーカイブできる」というメリットがあります。見てもらえるかどうかは別として、少なくとも「その時代にそういうことをする人がいた」という記録を、見やすいデータで残すことができるのです。 世の中には、驚くほどニッチな領域に情熱を注いでいるクリエイターさんがたくさんいらっしゃいます。ゆっくり映像学区のメディアを駆使することで、そういった領域の魅力に少しでもスポットライトを当てられるのではと考えています。 撮影にあたって、Vlog(写真旅)とは違った知見を得ることができました。 FUJIFILMのミラーレス一眼「X-T3」は、今回の制作でも活躍しています。超広角レンズ「XF10-24mmF4」との組み合わせは、やはりラン-アンド-ガン撮影と相性がいいですね。ジンバルを運用する暇はなかったのですべて手持ちで撮影しましたが、レンズ内手ぶれ補正が適度にブレを抑えてくれました。 インタビューでは、収録に「RØDE Wireless GO II 」というマイクを使用しています。ワイヤレス通信で音声を伝送できるスグレモノで、ワンオペでの映像制作に便利です。 過去に私は、外部マイクの挿しが甘くて音声収録を失敗したことがあります。そこで今回面倒ではあるものの、X-T3にヘッドホンをつないでモニターすることで、収録失敗のないよう対策しました。モニターしている時の感触は悪くなかったものの、マイクのデフォルトのゲインが大きいせいか、インタビューの音割れが目立ってしまいました。反省が残ります。 RODE Microphones ロードマイクロフォンズ Wireless GO II ワイヤレスマイクシステム…
Q&A|いい企画が思いつかず、映像を編集するところまで行き着くことができない。
Q. 映像制作を勉強したが、いざ自分で何かしら作ろうとすると、いい企画が思いつかない。映像を編集するところまで行き着くことができない。どうすればいいでしょうか? …と、質問を頂きました。どうやら「技術を生かす場面がない」という悩みを抱えている視聴者さんは多いようです。たしかに、いざ「動画を作れ」と言われても、まずは「作る動画」が必要ですよね。 差別化は、動画づくりの動機になる うまいチュートリアルやお話を、誰もまだ(日本語で)動画化できていない分野が必ずあります。それを頑張って見つけていただきたいです。誰もできていない以上、動画を作るのは自分しかいないのですから、制作のモチベーションになります。 ……と、企画のハードルを上げ続けていますが。 ぶっちゃけた話、たった5人くらいにしか役に立たない(見てもらえない)企画でも、実行する価値は十分にあると思いますよ。たしかにビジネスで言えばこれは破綻はしていますが、最初からビジネスでやろうとするほうがよっぽど過酷な道のりです。 最初はあまり伸ばすことを考えるべきではないと思います。それよりも、とにかくニッチな分野・ニッチな組み合わせを切り開くことで、クリエイターとしての社会貢献を優先していただきたいです。そのほうが気がラクになります。投稿者になるのであれば「YouTubeをもっと情報豊かにしなきゃ」くらいの意気込みで。 他のクリエイターがやっていることを少しだけアレンジしてみましょう。例えば優れたデザインを武器に、界隈に殴り込んでいくだけでも十分に差別化ですし、きっと誰かは楽しんでくれるはずです。 実際ゆっくりゲーム実況で、そういうビジュアル面(ガワ)を鍛えることで人気を得ている人だって大勢います。企画自体の新規性は、必須条件ではなさそうです。 たしかに新規性を考えるのはとても正しいです。でもそのアプローチはまるっきり新しいものじゃなくてもいい。万人が楽しめるコンテンツじゃなくてもいい。そして沼のように深いコンテンツでもいい。作る側も観る側も楽しめるからです。 写真旅シリーズでは、北海道の除雪列車「ラッセル」を取り上げたり、米軍基地を訪れたりしました。これらはどう見ても万人受けしませんが、それでも普段コメントしてくれる人が詳説を加えてくれたり、新しい魅力に気づいたりしてくれました。誰かが楽しんでくれるのならば、それだけで十分に動画を作る意義はあります。
自宅のネット回線が2200Mbps出るというお話
“自宅のインターネットが5G回線に対応した。ついでにPCの端子も5G対応にしておいた” 家族から突然そう聞かされたので、試しにスピードテストしてみて驚いた。上下ともに2200Mbps近い値が出ている。これをやや自慢げにツイートしたところ、思いのほかバズって「逸般家庭だ」とか「誤家庭だ」といった褒め言葉がついた。 家庭で2200Mbpsという数字は、快適を通り越して「おかしい」の域といえる。どんなに高くても100Mbpsもあれば、Web閲覧からFPSゲームまで困ることはないからだ。何を目的に通常の22倍もの回線速度を使うのか疑問になってくる。 どうしてこんなオーバーなスペックが生まれたのか経緯を説明したい。別に私自身は光回線に重課金しているわけでも、速度マニアでもない。ただ家族の中にネットワーク周りが詳しい人物がおり、しばしば自宅ではハイスペックな環境を使った色々な実験が行われているのである。今回の5G開通もその一環だろう。 そもそもネット周りに限らず、我が家には一般的ではない光景が広がっている。 本棚の上には「ラズベリーパイ」という、交通系ICカードくらいのサイズのコンピューターがずらりと列を成していろいろな実験をしている。各部屋でもラズパイが気温と気圧*を測定し、データを記録し続けている。家からWi-FiのIDが5個出ていたこともあるし、AIがラズパイのカメラを使ってリビングのモノを画像認識していたこともある。現在の映像制作で使っているグラフィックボードは、もともと仮想通貨のマイニングに従事していた。 *トンガ火山噴火の際には、衝撃波による気圧変化が鮮明に記録されていた。 「5G回線になってなにか良いことがあったのか」と尋ねられたら、正直今は答えに困ってしまう。YouTubeで8K60p動画をやり取りしようにもマシンスペックが追い付いていないし、サーバー運営をしようにも面白い企画がなかなか浮かばない。 もちろん5Gのメリットが全くないわけじゃない。例えば、映像制作をチームで進めているときには数百GBにおよぶ膨大なファイルをやり取りするが、これまでよりダウンロードが速くなっている気がする(もちろんファイル共有サービス側の速度に左右される)。迅速に作業に取り掛かれてハッピーになれる。 ただまぁ少なくとも今はまだ、5Gによって大きな変化を肌で感じる機会はない。 たぶん、今すぐに目的を見出そうと焦る必要はないんだと思う。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、8K・12K(写真並みの解像度をもつ動画)が将来発展したら、きっと5Gは当たり前になっているはず。むしろ当たり前になっていないとおかしい。現在のVRの解像度はせいぜい4Kくらいなので、「もっとリアルなVRChatが楽しめるようになる」と思うとワクワクする。まだ社会は5G回線を使いきれていないだけだ。 【悲報】我が家、一般家庭ではなかった pic.twitter.com/y572JunH8Q — 雪原てとら (@setsugen_tetra) September 3, 2022
いろいろな場所で紹介されている映像学区
ありがたいことに、WEBサイト上で映像学区を紹介していただけることがあります。とても嬉しいしモチベーションが上がるので本記事にまとめました。うp主がURLを忘れてしまったものもあるため、漏れていたらすみません。 ページの都合紹介しきれないので残念ながら省いていますが、TwitterやInstagramで日頃より寄せていただいている映像学区への感想には本当に感謝しています。たとえば「この動画のここすき」と1つツイートしていただけるだけで、私のやる気は何倍にもなります。みなさんのオープンな感想こそ、ゆっくり映像学区の真の原動力なのです。いつもありがとうございます。 (※随時更新) TAMRONさんの『17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD』 https://www.tamron.jp/product/lenses/b070.html Xマウント版のレンズが登場した際に、外部レビューをさせていただきました。貴重な機会をありがとうございます。手ぶれ補正の効くF2.8レンズで使いやすかったです。興味がある方はぜひレンタル等でも触ってみることをおすすめします。 YouTube Japan 公式チャンネルさんの『動画編集の世界』 https://www.youtube.com/playlist?list=PLQntWbrycbJfRC0PaLAGvNz5rAhOnCuq6 YouTube Japan の公式チャンネルが作成している再生リスト『動画編集の世界』にて、ゆっくり映像学区の「あるあるな図形」回を紹介していただきました。フィーチャーしていただきありがとうございます。 ePiさんのScrapbox https://scrapbox.io/ePi5131/AviUtl%E3%81%AE%E8%AC%9B%E5%BA%A7%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F ゆっくり映像学区の動画に対して、しっかりした批評を書いていただきました。ありがとうございます。とくに「データ管理」回の中間生成ファイルフォルダ(mv_precom)への言及については、なるほどなぁ~と思いました。 昔は1つの映像に膨大な素材を入れることも多かったため、「mv_dataにはよく使う素材だけを」「mv_projectにはプロジェクトファイルだけを」「mv_precomには一時的な素材やファイルだけを」「mv_worksには完成品だけを」と分けていく意識がありました。しかし最近では素材数が落ち着いていることもあって、mv_precomを無視したうえで、全データをprojectに詰め込むことが多くなっています。そろそろmv_precomは廃止にしてもいいかもしれません。 LejeさんのScrapbox https://scrapbox.io/leje-campus/%E6%98%A0%E5%83%8F%E3%81%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E9%87%8F%E3%81%A8%E7%94%BB%E9%9D%A2%E6%A7%8B%E6%88%90 「くだらねぇ情報」の動画をご紹介いただきました。ありがとうございます。アニメーションにおける情報量の増やし方について、丁寧に解説されている記事です。同サイトの記事は、図形の取り扱いについてたいへん勉強になります。 九段さんのScrapbox https://scrapbox.io/Kudan555/%E5%8B%95%E7%94%BB%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%AE%E5%8F%82%E8%80%83%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E9%9B%86 『動画編集の参考になるリンク』より。"省力編集"としてチャンネルが紹介されています。ありがとうございます。 虹色研究所さん https://rese-area.hatenablog.com/entry/Edit 映像学区の喋りがおもしろいとのことです。ありがとうございます。 竹達アーカイブ通信さん https://taket-a.hateblo.jp/entry/davinciresolve-color Resolveを使った色調補正に関連して紹介されました。ありがとうございます。 RTAGamersさん https://rtagamers.com/etc/post-12571/#toc7 "新しくAviUtlを使い始める人に有用"なサイトとして紹介されました。ありがとうございます。
世の中どーでもいいことだらけである
「70-200mm F2.8」という望遠ズームレンズがある。 私もこれに近い「50-140mmF2.8」というレンズをしばらく使ってきたので、この利便性と汎用性がよく分かる。じっさい、F2.8ズームレンズは報道写真から動物写真、鉄道写真に至るまで幅広いジャンルで使われている。いちいち「70-200mm……」と呼ぶのはかったるいので、周りの人たち(特に鉄道写真界隈の皆さん)はたいてい「ナナニッパ」で通じている。同じ感覚で「400mmF2.8」は「ヨンニッパ」と呼ばれているし、「500mmF4」は「ゴーヨン」と呼ばれている。 あるプロカメラマンのおじさんは「ヨンニッパ」や「ゴーヨン」を超望遠単焦点レンズには積極的に使う一方で、「ナナニッパ」だけはどうも納得いかないようだ。曰く、700mmF2.8なんてレンズはないし、「ナナニッパ」なんて略称が広まると現場の伝達ミスに直結するとのこと。へ~。 たぶんこれらのどうでもいい言及への反応は、反論じゃないほうがいい。「へ~」くらいのほうがいい。 これぞ典型的な本当にどーでもいいことである。今の時代どうでもいい論争を生み出すことで、お手軽に注目を集めることができる。誰がどう言おうと、少なくとも私たちの間では「ナナニッパ」で通じるし、「ナナニッパ」と叫んだところで誰にも迷惑*をかけることはない。これからも映像学区のゆっくりボイスは遠慮なく、70-200mmF2.8を「ナナニッパ」と変換していくだろう。映像学区をきっかけにカメラを始めたみなさんも、ぜひ親しみを込めて「ナナニッパ」の愛称を叫んでほしい。 *撮り鉄界隈には「ゲバ(三脚のこと)」といった、公衆で叫ぶには少々物騒なワードもあるので油断ならない。 「有線イヤホンは厄介な奴を見分ける踏み絵になる」 - ちょっと前にもYouTuber兼ブロガーによるこんな発言があって騒ぎになった。本当に笑っちゃうほどどうでもいいことである。みんな好きにすればいいというだけのことだ。ちなみに私は無線イヤホンをしょっちゅう失くしたので有線派。ゆっくり映像学区は厄介な人が作っているので気を付けよう。 一眼レフ撮影だろうがスマホ撮影だろうが、有線だろうが無線だろうが、iPhoneを使っていようがAndroidを使っていようが、WindowsだろうがMacだろうが、スマホ編集のモーションだろうがPC編集のモーションだろうが、すべて「場面によって使い分ければええやん」という言葉で解決する。それ以上の答えなどないのに、どういうわけか無駄に論争を起こしたがる。(ただしうっかり場違いなコミュニティに入ってしまって迷惑をかけたなら、ちょっと話は違うかもしれない) 創作に大切なことはそんなに多くない。アウトプットと迷惑をかけないことだけだ。その割に、この世界はどーでもいい争いで溢れている。
潮風のまち、銚子をめぐる写真旅|FUJIFILM X & SIGMA fp
2022年も夏が終わりました。 毎年夏が終わると変なノスタルジーが湧いてきます。儚さというか寂しさというか、とにかく大きな感情(クソデカ感情)です。一年の3分の2が終わったということで、日々を写真で振り返るにはちょうどいい時季といえるでしょう。 真夏の潮風が吹く銚子を、自転車でめぐる。 この写真旅は、先月参加した「PVSF」という動画投稿イベントの撮影を兼ねていました。そんなわけで今回は、①「PVSFで動画を合作しませんか?」と私に持ちかけてくれたRyutoさん (@ryuto_tkg) 、②映像学区のファンということでいらっしゃったtaiseiさん、③私(うp主)の3名でめぐります。 旅の始まりはJR成田線の乗車から。千葉県でもこのあたりまでくると列車の本数が少なくなり、ローカル線の様相をみせます。4両編成の車内にはボックスシートが用意されており、ちょうど今回のようなグループでの旅には便利です。 銚子の観光エリアはちょっと広いので、「レンタサイクル銚子」というサービスで自転車を予約しておきました。1日¥1500くらいで利用できるのでかなりコスパの良い移動手段です。「銚子電鉄」という鉄道路線もありますが、列車本数が少ないので自転車のほうが便利だと思います。 Twitterで調べると、この自転車を使う観光客は結構多いようで、休日は予約がいっぱいになることもあるそうです。ご利用の際はお早めのご予約をおすすめします。また雨天・強風時は貸出が中止されることがあります。 SIGMA fp 関東平野を築いた利根川を渡ります。辺り360°見回すと、様々な場所に風車が立ち並んでいました。海からの風を受けとめる街であるため、風力発電が盛んなようです。同じような光景は秋田県沿岸でも目にすることができます。青い大空に、海のさざなみと白い風車。いかにも夏に馴染む光景です。 SIGMA fp 広い河口を、ボートがスピードを上げて通過していきます。動画版の1:40では、行き交う船舶を橋の上から撮影しています。これはスタビライザー片手にダッシュして撮影したものです。穏やかに見える映像作品にも派手なカメラワークが隠れているのです。 「SIGMA fp」という珍しいカメラ Ryutoさんの現在のメインカメラが「SIGMA fp」というカメラです。 このSIGMA、カメラに詳しくない方には聞き慣れないメーカーかもしれません。SIGMAはサードパーティー(純正外)のレンズメーカーとして有名で、映像学区ではEFマウント用のSIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSMが何度か登場しています。 そのSIGMAが作ったカメラが「fp」です。SIGMAらしいモノクロデザインが秀逸なのは言うまでもないですが、機能も面白いです。SSDを挿すだけでRAW動画が収録できたり、SNS向きでキャラの濃いカラーモードが多数搭載されています。 ※記事中では、SIGMA fpで撮影された写真のみ「fp」のテロップが入っています。 犬吠埼のダイナミックな地形 午後の犬吠埼へとやってきました。弧をえがく海岸線の先に立っている灯台が「犬吠埼灯台」です。日本の灯台の歴史を語るには欠かせないその1基の灯台は、午後の陽の光を浴びてやさしく輝いていました。 懐かしの鉄道風景、銚子電鉄。 旅の最後に、銚子を走るノスタルジックな鉄道を訪れました。 銚子電鉄は、銚子・犬吠・外川を結ぶ全長約6kmの鉄道路線です。鉄道経営の危機に陥りながらも、なんとか廃線を免れています。そんな境遇もあるせいか設備がギリギリです。車両は他の鉄道会社の「お下がりのお下がり」。よく見るとレールはヘロヘロ。さらに供給電圧の面でも苦労があるのか、冷房をつけながら加速するとたまに室内灯が消えるそうです。 夕方の外川駅のさらに先にちょっとだけ伸びるレールの上には、既に引退した801という車両が留め置かれています。民家の駐車場のようなサイズの留置線です。藪に埋もれています。 必要最低限の設備更新しかされなかったことで、現在でも昭和のような風景を楽しむことができる。それは銚子電鉄の危機が、逆に生み出してしまったエンターテインメントだと思います。この懐かしい光景がいつまで楽しめるかはわかりませんが、もし10年後も元気に走っていたら、また会いに行きたい路線です。 SIGMA fp おまけ 動画のエンディングに載せた1枚の写真を紹介します。「もしかしたら」と思って過去の家族写真データを引っ張り出してきたところ、こちらの懐かしい画像が発掘されました。さきほど外川駅構内で留め置かれていた銚子電鉄801が、なんとまだ現役だったころのものです。当時まだ幼かった私はこの801号に乗車しています。 ほかにも、掲載はできませんが、113系という古い車両が夕陽に輝いている写真・夜の犬吠駅の写真などが残っていました。10年ぶりに見返した家族写真には様々な記憶が詰まっていて、心を打たれたものです。写真は思い出を残します。 幼少期のうp主と、現役当時の銚子電鉄801
ゆっくり収益化剥奪の何が怖いのかという問題
収益化が剥奪されるだけで、なぜか創作をやめる人々 ゆっくりボイスを使用したYouTubeチャンネルが増えてきました。 ジャンルを飛び越えて「ゆっくり」が普及していくのはとても嬉しいことです。大学生である私は「迷列車」「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」を観ながら10代を過ごしたこともあって、親しみ深さがあります。 気が付いた頃には、私はゆっくりの視聴者であるだけでなく、投稿者にもなりました。 人間のYouTuberになる余裕はないけれど、どうしても皆さんに発信したい「ネット上の決定的な情報不足」を発見したからです。自分にしか作れないであろう動画を、いかにして良いカタチで届けるか、常に悩んでいます。 さて。1人のうp主として、私にはちょっとよくわからない場面があります。それは、何らかの理由で収益化を外れてしまった「ゆっくり」系のチャンネルが、突然活動休止を宣言することです。 ゆっくりボイスのチャンネルは「繰り返しの多いコンテンツ」として、収益化を剥奪されやすいと聞きます。合成音声ゆえに、YouTubeのアルゴリズムに誤解される側面もあるのでしょうが、今回の論点はそこではありません。 収益化が止まることくらいで、動画投稿をなぜスッパリ休止してしまうのかが分からないのです。 たしかに投稿のモチベーションが下がるのは分かります。投稿本数が減るくらいなら理解できます。けれども、創作意欲がいきなりゼロになる(=休止にまで陥る)ものでしょうか。広告収入という副産物が減るくらいで、いったいどうして「ゆっくり」の投稿者がそこまでうろたえるのか、私はあまり理解ができません。 どうか「休止」なんて言わず、時間が掛かっても構わないので次回作を出していただきたいのです。 動画内容が誰にも真似できないくらい濃いのならば、収益がどうであれ(YouTubeでなくとも)ネット記事や同人誌を書いてでも発信したくなるものはないでしょうか。伸びるか伸びないかは別として、私はそういった「創作意欲が爆発してゆっくり解説まで作ってしまう人」をよく見かけます。 この「爆発する」熱意こそゆっくり解説らしさであり、逆に熱意なき動画にはまだまだ濃さが足りていないのです。 他の誰も投稿できないこと・知らないことを心に秘めておくのはもったいない。その点「ゆっくり」とは、普段なかなか表に出ない知識や体験を大勢に共有できる、きわめて優れたフレームワークといえます。 逆に、創作意欲があふれんばかりの興奮する内容を思い描けないまま、収益化通っちゃったってことなのでしょうか。 収益以上にエキサイティングなものは、本当に「ゆっくり解説」制作にはもうないのでしょうか? Wikipediaにも知恵袋にも、2chにもないような斬新なコンテンツを、作ってみようとは思いませんか? まとめサイトを超えるくらいの覚悟はありますか? 本気を出せば、人目につかない新聞記事、専門誌、絶版書籍、webアーカイブに至るまで、誰よりも深く探索できる可能性が残っていませんか? うp主さんなりの知見・経験・シナリオスキル・特殊スキルはどこへ行ったのでしょうか? 収益化されようがされまいが関係なく、私は1人のうp主として投稿を続けたい。もちろんこれは昔から持っていた感情ですが、近頃の光景を見るとなおさら痛感します。
ゆっくりボイスを打ち込むための編集ソフト
「ゆっくりボイスを打ち込んでいるツールを教えてください」 と、よく尋ねられるのでお答えしたいと思います。映像学区の制作では「ゆっくりムービーメーカー(以下YMM)」を使用しています。逆に他の人工音声ツールはあまり使ったことがありません。 YMMは、AviUtlとの親和性が高いため個人的には馴染みやすかったです。 普段YMMを使う時には、画面下の音声字幕部分だけを書き出しています。こうすることで、4K実写ドキュメンタリーのように専門的なソフトが必要な場合でも柔軟な運用ができるようになっています。 字幕部分(FHDで画面下から120px部分)をYMMで書き出している。 完成時の画面(YMMの処理軽減のため別ソフトで合成) SofTalkのゆっくりボイス対応終了はそんなに問題ではない 2022年にSofTalkでゆっくりボイスが打ち込めなくなって以降、冒頭のような質問は増えてきたように思います。 調べてみるとたしかに、SofTalkは契約の関係でAquesTalk(ゆっくりボイス)への対応を終了したそうです。しかしAquesTalkが他のソフトからも消滅したわけではありませんので、少なくとも「ゆっくり実況が作れなくなった」と騒ぐのは大いに誤りがあります。じっさいYMM提供者(饅頭遣いさん)からも安堵を促すツイートがされていることから、この件について私は特段の不便を感じていません。 正直私も、質問をいただくまでは「AquesTalk」「SofTalk」「YMM」の相互関係をあまりよく理解していませんでした。ゆっくり動画の世界はまだまだ知らないことだらけです。もっと勉強します。 皆さんにはぜひ幅広い選択肢を知っていただき、正しい情報をもとに動画制作に励んでいただきたく思います。 次回の記事もお楽しみに。
映像学区のような動くテロップ(Lower Third)の作り方
ローワーサードとは 紹介文を動画に載せたい時、画面隅に図形付きのアニメーションテロップを使うことがあります。このようなアニメーションは「ローワーサード(Lower Third)」と呼ばれており、TV番組やYouTubeなどさまざまな媒体で使用が見られます。 『ゆっくり映像学区』の動画でも、最初期から変わらず登場しているエフェクトです。視聴者に「これだけは覚えて帰ってほしいな」という内容を伝えています。 制作に必要なもの 普段私はAviUtlを使ってスタイリッシュなローワーサードを制作しています。拡張編集の入ったAviUtl以外に、特殊なプラグインは必要ではありません。ただしイージング系のスクリプトがあるとクオリティが爆上がりします。余裕があれば導入をおすすめしています。以下参考リンクです。 ・【Aviutl】7年目にして今更だけど、イージングバグってたから更新した|undoFishさん ・AviUtl、トラックバー対応イージングスクリプト 2020版|FLAPPERさん 制作手順は、YouTube動画(3:00~)で説明しています。