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厳冬と色彩の宗谷を目指して(2)|Velviaで撮る最北端のマジックアワー


厳冬のオホーツク海沿いを駆ける

北海道縦断の旅は2日目。旭川市を朝に出発し、私たちはずっと国道を北へ進んできました。日本本土最北端の地「宗谷岬」まではもうすぐです。夕暮れの差し迫る時間となってきました。

できれば日没前に絶景を一目見たいところです。人もほとんど歩いていない冬の雪道を進んでいると、レンタカーの側面もこんな状態に。いつ滑ってもおかしくない道中、ドライバーを担当した仲間のテクニックに助けられています。

国道238号線の猿払地域を通過しています。

このあたりでは、漁港の街を通り過ぎては、小高い峠を登る道のりを繰り返します。すこし内陸部へ車を走らせると、風車の立ち並ぶ丘陵を経由して稚内市へ短絡する道路があります。夏に北海道を訪れると、心が晴れるような素晴らしい景色に出会えそうですね。

宗谷岬に到着しました

日本で最北のガソリンスタンド。この出光の石油店を通り過ぎると、宗谷岬の公園は目の前です。

夕暮れぎりぎりになんとか間に合いました。この時間帯は「マジックアワー」といって、映像表現がいちばん映えるコンディションです。観光地のハズですが季節のせいか、歩いている人は私たちだけ。雄大な景色を独り占めした気分です。

モニュメントが夕陽に輝きます。とんでもなく風の強い空間です。

こういう景観では多少レタッチを盛っても許されそう。長い写真旅における最大の魅力は、ちゃんとした場所にいけばちゃんとした写真が撮れるってことだと思います。都市のスナップとは明らかに撮り方が違いますし、心が満たされ具合も遥かに違います。

撮影には「XF 10-24mmF4」と「XF 56mmF1.2」を使用しました。超広角が構図面で威力を発揮します。レタッチできるとはいえ、センサーがAPS-Cなので構図勝負になってきますね。

江戸時代のこと、樺太が島であることを認識した人物が間宮林蔵です。林蔵に由来して、宗谷岬とロシアのあいだにある海峡は「間宮海峡」と名付けられています。日本の地理に貢献した彼に敬意を払いつつ1枚。

気がつけば空が真っ暗になり、南東の空に月がのぼってきました。藍色の空が私たちを次の撮影地へ誘います。次回は市街地の広がる稚内市内を経由して、冬の鉄道名物「ラッセル列車」を特集する予定です。

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