1. AviUtl2の登場
AviUtlの拡張編集機能が大幅にアップデートされた AviUtl ExEdit2 beta2 が AviUtlのお部屋 にて公開されました。AviUtlはKENくん氏らにより開発されている動画編集ソフトウェアで、2019年のVer1.10以来の更新となります。大きなニュース。
今回のアップデートにおける注目点は、従来の32bitプログラムから64bitプログラムへの移行です。最大メモリ4GBの制約から解放されることで、より多くの動画・画像メディアを用いたり、エフェクトを何重にかけたりしても安定した動作が可能になります。
これまでのAviUtlですと、ミラーレス一眼カメラ等で撮影した6000x4000px以上の画像素材を取り扱うことは正直難しく、写真旅Vlog動画の編集には適さないと考えていたのですが、AviUtl2では評価が変わるかもしれません。
UI面でも大きく変化しています。YMM4のようなシングルウィンドウに変更されているほか、ベジエ曲線に対応した時間制御など、従来のAviUtlとくらべても動画の”編集”に重きを置いた設計となっているようです。
操作が大きく変わったため習熟には時間が必要ですから、当分は従来のAviUtlを使っていこうと思います。公開から一週間程度経ちましたが、早くも、AviUtlのプラグインやスクリプトがAviUtl2で使えるのかどうかについてネット上のユーザーによる研究が進んでおり、状況を引き続き注目していきたいと思います。

AviUtl2って誰かが勝手に言ってるあだ名ではなくて本当に仕様含めてAviUtl2だったんですね
— 雪原てとら/映像学区 (@eizo_gak) July 10, 2025
2. 今週の読書: 「人は右、車は左」 往来の日本史
★★★ [ 新視点を得られる良書 ]
そもそも日本の道路交通はなぜ左側通行なのでしょうか? 世界には左側通行の国と右側通行の国があり、イギリス・オーストラリアは左側通行、逆にアメリカ・中国・韓国は右側通行です。
てっきり私は、 「明治時代にイギリスと関わりが深かったから日本も左側通行なのかな」 と勝手に思っていたのですが、実際にはもっと昔の時代から日本には左側通行の文化が根付いていたようで、お侍さんの刀同士が衝突してトラブルにならないよう左側通行になった、などその由来には諸説あるようです。
日本の交通事情には諸外国と異なる要素があります。それは車両についてです。近世以前の日本において、牛車や輿とは偉い人が乗る、いわば権力の象徴であって、庶民のものではありませんでした。したがって江戸時代に街道が整備されたといっても、そこは歩くことを前提とした道幅となっていました。
それが明治以降に進められた急速な近代的によって、人力車・自動車があっという間に市中に氾濫するようになりました。人や馬の通行しか想定していなかった従来の道路には、人力車の無秩序な運転・悪質な客引き・路駐・通行妨害が横行、やがてカオスを極めることになります。江戸時代に外国人が称賛した日本の美しい道路はキャパを超え、いつしか外国人に苦言を呈されるまでになってしまったのです。
本書では、そういった日本の交通事情を太古の昔から現代に至るまで、体系的に知ることができます。なんというか、まるでユヴァル・ノア・ハラリの本みたいな感じで、独自の観点から歴史を眺められる良書といえます。
3. 今週の音楽 『Luvliminal image』
アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ の新曲。ジュリアさんの唸るような歌い方がかっこいい。サビ終わりからアウトロにかけてのダンスにおける指使いやステップは、ゲーム内のいちMVとは思えないほど技巧的で本当に素晴らしいと思います。
ミリシタが定期的に出す、曲と振り付けが両方完璧にハマったタイプの音楽。最近は学園アイドルマスターの技術力に圧倒される毎日で、まぁそれはそれでいいんですが、やはり昔からのコンセプトやキャラデザを維持しながら、常に良い音楽をファンに届けてくれるミリシタには実家のような安心感を感じることができますので、古き良きアイマスとして末永く残ってほしく思います。
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