1. mixi2の登場
国産の新しいSNS mixi2 が発表されました。たくさんのFFさんが登録しているのを目撃しています。
TwitterがXになって以後、より良いSNSを求めて人々が流浪する時代となりました。またそれに合わせて、企業や個人がTwitterライクなサービスを提供するようになりました。Bluesky、Threads、Misskey.ioもその試みの例と言えるでしょう。しかし重要なことは、未だそのどれもが世界の覇権以前に、オタクの覇権を完全には取れていないということです。
mixi2、突然の発表
要点1. 中央集権型SNSである
mixi2は、運営がユーザー情報やクライアントを一括管理・提供している 中央集権型SNS です。
Discordのような個人やグループで扱う閉鎖型SNSと違い、タイムラインをアピールポイントとする以上は、それ1つで情報源となることが求められます。たしかにMastodonのような非中央集権型SNSは、「貴重な文献がサ終で消える」 などのリスクには強いですが、いかんせんサーバーごとに人数と情報が分散するため大きな情報源になりきれません。
また、MastodonやMisskeyの場合、動作するクライアント(閲覧)用アプリをユーザーが選ぶ形式です。しかしこれはサービスとしての統一感を欠くため、非オタク層というか、一般層にはあまりお手軽ではないような印象を受けます。SNSの覇権を取るには、ネットに馴染み始めた高齢者でも使えるレベルのお手軽さが求められるのではないでしょうか。
要点2. 招待制はたいした問題ではない
2024年12月現在、mixi2は招待リンクからのみ登録が可能です。リリース直後の各社報道では 完全招待制SNS として紹介されています。完全招待制といえば、先例の音声配信SNSである Clubhouse が内輪の盛り上がりに終始したこともあって、ややアレルギーを表明する声が多めな気がします。
しかしこの点については心配無用でしょう。
mixi2の招待リンクは招待人数等に制限がなく、検索すれば簡単に手に入れる事が可能です。つまりmixi2の招待とは、Xのタイムラインにmixi2の登録URLをばらまくためのセレモニーという文脈に過ぎないわけです。あくまで儀式。
顔が跳ねている、clubhouseの公式サイト
懸念1. ブラウザ版がない
アップデートで追加されると嬉しいですね。創作物をデスクトップPCで管理している層にとっては結構厄介です。Instagramにやる気が出ない理由もまさにブラウザ版の不足なので、mixi2にはどうかこの壁を取り払ってほしいです。
というかそもそも、スマホ版アプリがないSNSも、ブラウザで閲覧できないSNSも、同時ログインができないSNSも困ります。こういう基本的な利用の壁が未だ大手ですらDiscordとXくらいでしかうまく突破できないのはもどかしいところです。
mixi2、やっぱり基本情報しか出せない Next.js アプリをデプロイしてる時点で Web 版やるつもりないんじゃないかなぁ… PC ユーザーには辛い!!!!!!!!!
— Torishima / INTP (@izutorishima) December 17, 2024
でも Twitter 使ってるユーザーってパワーユーザーだから Web 版ないと厳しい気はする pic.twitter.com/mzZFVhp9xc
引用では、クロール行為防止の措置との推測もある模様。
昨今AI学習問題とかありますからね。
懸念2. 規約の厳格さ
規約の厳格さはSNSに平和をもたらしますが、裏を返せばつまらないということでもあります。Twitterのような真のSNSとなるには、もちろん犯罪行為や迷惑行為を排除しなければなりません。しかし同時に、ゴミの掃き溜めのような自由闊達な雰囲気は必要です。たんに利用規約をユーザーに押し付けるだけでは、理想のタイムラインを築くのは難しいでしょう。
ただし一概に悲観すべきでもないです。ルールを運用する際のさじ加減は0-100ではありません。ユーザーがきわどいイラストを投稿するなどして規約の限界に挑戦してきた時、運営がどこまで(いい意味で)恣意的に運用できるかが、mixi2の将来を左右すると思われます。身も蓋もない考え方ですが、多少の規約違反に対して “黙認” のようなものが生じたとしても多くのユーザーは文句を言わないはずです。いい感じにバランスの取れた采配を期待しています。
2. 今週の音楽 『Jewelry Wonderland - I-1 Club』
Wake Up Girls! より。WUGは作曲編曲に担当者の個性を感じるものが多く、一昔前にゆゆうた氏がニコ生で絶賛していたのを思い出します。ニコニコ全盛末期の輝かしさを見事に飾った楽曲群という印象。アニメ版のライブシーンではなかなか凄いカメラワークで演出をしているので一見の価値あり。