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雨降りの美しい東京・明治神宮を、単焦点レンズでめぐる

東京の大学に通っている私は、昼に授業が終わる日があると東京を散策することにしています。平日は休日に比べて人通りも少なく優雅な気分でいられるからです。今日は東京都心が抱える深緑の空間、明治神宮を訪れることにしました。

午後から雨が降る、秋の東京。さてどんな風景が待っているでしょうか。

傘に隠れて神宮参り

しとしとと降る雨が足元を冷やしていきます。左手に傘、右手にカメラ、そして肩にGoProというスタイルだと手元が忙しくなりますね。ミラーレスカメラの最大の利点はファインダーを覗かなくていいことです。こんな空模様の日にはいちいちファインダーを覗いていると手元が疲れてしまいます。そして軽量コンパクトなのもまたOK。片手で1時間ほど振り回しても疲れない装備は、レイニーストリートスナップの前提条件です。

湿気をおびる砂利の参道が音を立てています。参道には側溝のようなものがありました。雨の日には本殿周辺から境内外側に向かって雨水が流れていくようです。明治神宮は水はけに気を使っている模様。秋も中盤にさしかかると、色づいた枯れ葉がはかなく積もっていきます。

換算85mm単焦点レンズの魅力

今回はXF56mmF1.2、単焦点レンズ1本縛りのストリートスナップです。これまでの所有レンズはすべてズームレンズだったので、「単焦点レンズって描写いいけど不便そうだなぁ」という思いがありました。しかしそれは間違いでした。

美しいショットをズームレンズで得ようとすると、レンズのサイズは重く巨大になります。その例がSIGMA 18-35mm F1.8でしょう(もちろんあれは動画に使うには便利なのですが)。一方、XF56mmF1.4のようなハイエンド単焦点レンズを使えば、すごく軽快なフットワークでこの写りに出会える。撮影の回数が増えて「いい写真が増えるな」と感じました。

こちらは、蜘蛛の巣に露がかかる灯籠です。

なんてふんわりしているのでしょう。語彙力のない私は、このメリハリのある描写を「空気感を写すようだ」と表現することにしています。まるで雪が積もるようにしっとりした、けれど鋭く冷たい雨粒を切り取ります。

参道をしばらくいくと、明治神宮に奉納された酒樽が並んでいます。『鬼ころし』のような有名な日本酒の名前もありました。どの樽もデザインに彩があって楽しいです。向かい側にはワイン樽も整然と奉納されています。

コントラストあふれる境内

都市の風景なのに誰もいない。そんな世界観をみると、はっとさせられます。それは音を排除した写真だとより強調されるでしょう。この閑散とした境内も年末年始の時期は参拝客でいっぱいになります。いつもの明治神宮からは、ちょっと想像できない風景です。

明治神宮の警備のことを神宮衛士というそうです。政教分離の現在ではもちろん公務員ではない警備員ですが、その風格は昔から変わらないようです。七五三の準備をする巫女さんが足早に通り過ぎていきました。