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世の中どーでもいいことだらけである

「70-200mm F2.8」という望遠ズームレンズがある。

私もこれに近い「50-140mmF2.8」というレンズをしばらく使ってきたので、この利便性と汎用性がよく分かる。じっさい、F2.8ズームレンズは報道写真から動物写真、鉄道写真に至るまで幅広いジャンルで使われている。いちいち「70-200mm……」と呼ぶのはかったるいので、周りの人たち(特に鉄道写真界隈の皆さん)はたいてい「ナナニッパ」で通じている。同じ感覚で「400mmF2.8」は「ヨンニッパ」と呼ばれているし、「500mmF4」は「ゴーヨン」と呼ばれている。

あるプロカメラマンのおじさんは「ヨンニッパ」や「ゴーヨン」を超望遠単焦点レンズには積極的に使う一方で、「ナナニッパ」だけはどうも納得いかないようだ。曰く、700mmF2.8なんてレンズはないし、「ナナニッパ」なんて略称が広まると現場の伝達ミスに直結するとのこと。へ~。

たぶんこれらのどうでもいい言及への反応は、反論じゃないほうがいい。「へ~」くらいのほうがいい。

これぞ典型的な本当にどーでもいいことである。今の時代どうでもいい論争を生み出すことで、お手軽に注目を集めることができる。誰がどう言おうと、少なくとも私たちの間では「ナナニッパ」で通じるし、「ナナニッパ」と叫んだところで誰にも迷惑*をかけることはない。これからも映像学区のゆっくりボイスは遠慮なく、70-200mmF2.8を「ナナニッパ」と変換していくだろう。映像学区をきっかけにカメラを始めたみなさんも、ぜひ親しみを込めて「ナナニッパ」の愛称を叫んでほしい。

*撮り鉄界隈には「ゲバ(三脚のこと)」といった、公衆で叫ぶには少々物騒なワードもあるので油断ならない。

「有線イヤホンは厄介な奴を見分ける踏み絵になる」 – ちょっと前にもYouTuber兼ブロガーによるこんな発言があって騒ぎになった。本当に笑っちゃうほどどうでもいいことである。みんな好きにすればいいというだけのことだ。ちなみに私は無線イヤホンをしょっちゅう失くしたので有線派。ゆっくり映像学区は厄介な人が作っているので気を付けよう。

一眼レフ撮影だろうがスマホ撮影だろうが、有線だろうが無線だろうが、iPhoneを使っていようがAndroidを使っていようが、WindowsだろうがMacだろうが、スマホ編集のモーションだろうがPC編集のモーションだろうが、すべて「場面によって使い分ければええやん」という言葉で解決する。それ以上の答えなどないのに、どういうわけか無駄に論争を起こしたがる。(ただしうっかり場違いなコミュニティに入ってしまって迷惑をかけたなら、ちょっと話は違うかもしれない)

創作に大切なことはそんなに多くない。アウトプットと迷惑をかけないことだけだ。その割に、この世界はどーでもいい争いで溢れている。