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雪の横浜から越後湯沢へと – 銀の世界の写真旅

イントロダクション

2021年から2022年にかけて、日本は各地で”雪”を迎える冬シーズンとなりました。

12月には中部地方や関西地方で雪のマーク。彦根ではかつてない積雪に苦しめられたほか、名古屋市沿岸部でも雪が積もり、高速道路が規制されました。年明け後には、首都圏でも雪が降ります。東京では5cm以上の積雪を観測。北海道では札幌周辺で慣れない量の雪が降り、JRの都心エリアに深刻な打撃をもたらしました。

四季のある日本に住む人々は雪に対して様々な感情を抱きます。たしかに気象のせいで交通が不便になったり、建物に被害が出たりするのは面白くありません。でも雪に対する印象はいつもネガティブなものばかりではないのです。

珍しい降雪に思わずスマートフォンをかざす人々の表情を見ると、まるで冬の寒さも少し和らいだような温かい気持ちになります。都会の平日に雪が舞うなら、その1日はちょっと特別な休日の気分です。

日本に住む人々は、雪に対して様々な文化を形成しました。雪多いこの冬、私たち映像学区はそんな文化のごく一部にふれて『銀の世界の写真旅』として記録することにしました。

今回はその第Ⅰ章( Chapter.1 )です。


『銀の世界の写真旅』第Ⅰ章

首都圏に雪が舞った日、横浜のみなとみらい地区を散策します。

4K60fpsで撮影されたスローモーション映像は、ゆっくりと白く覆われるモノクロの港町を綺麗に描きだします。モダンな建築がならぶ横浜は、ゆっくり映像学区の拠点としてこれまでいろいろなカタチで登場してきました。普段から見慣れている街だからこそ、雪の風景には圧倒されます。

旅の後半ではJR上越線に飛び乗って、新潟の越後湯沢駅周辺に足を伸ばします。

JR上越線は、高崎-新潟間を結ぶために作られた鉄道です。1931年に開通した「水上-越後湯沢」区間では、厳しい自然環境の谷川岳・清水峠をつらぬくために複雑な線形とトンネルを駆使して、ここを突破しています。地図をみると、その無理やりとさえいえる構造に目が釘付けとなります。しかも清水峠には、現在まで自動車の入れる一般国道が開通できておらず、高速道路の関越トンネルか三国峠を通るしかありません。

そんな歴史に目を向けていると、現在のJR上越線「上越国境」には寂しさも感じます。上越新幹線の開通によって、1日5往復程度の旅客列車と貨物列車のみが走るだけとなった線路は、もはや近代の遺産と言っても過言ではありません。複線かつ長いホームが残る越後湯沢駅にも、10両を超える定期列車はしばらく来ていません。

そんな哀愁漂う湯沢周辺を、FUJIFILM X-H1と単焦点レンズで写します。