FUJIFILM XF35mmF1.4がなぜ素晴らしいか

雪原てとら 雪原てとら
2022年4月13日
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The original of FUJIFILM X-mount.
FUJIFILM XF35mmF1.4がなぜ素晴らしいか

2012年発売 ”神の単焦点レンズ”

映像学区の愛用しているFUJIFILMのミラーレス規格、Xマウント。その黎明期に誕生したレンズが XF35mm F1.4 R です。発売から10年経った現在でもその人気は衰えず、 「神レンズ」 と界隈で崇拝されています。今回はこの35mm F1.4を実際に1シーズン使ってみた感想を書きます。

正直私は 「神○○」 や 「買わないと損」 みたいなクチコミをあまり信じない人間なので、ただ言葉遊びに乗じているだけじゃないの?と思っていました。このXF35mmはだいぶクセのあるレンズだからです。

まずフォーカスモーターがとてもうるさい。よくある画角の純正単焦点レンズなのに前玉が動く。ゴミが入らないか心配。レンズキャップが緩すぎて使い物にならない。絞りリングの固さがロットによって違う。

「こんなモノを推すFUJIユーザーは、マゾヒスト集団なのか」 と訝っていた頃さえありました。でもいざ使い慣れるとその感想や印象ががらりと変わったんです。やはり良いモノは使ってみて、やっとちゃんと魅力が分かるなぁと思いました。

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画質の面白さ

ボケのクオリティが高いです。とろ~んとしています。

「何気ない日常を映画っぽく」 というフレーズはこじつけがましくてあまり好きではないですが、このXF35mm F1.4にはそんな言葉がとても似合います。たとえば、生活感あふれる台所シンクにカメラを向けると、簡単にドキュメンタリーフィルムのような色と画が映ります。

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ボケが綺麗なくせに、ピント面の解像度もちゃんと高いです。細かいテクスチャにピントを合わせるとよく解像します。本当にレンズの描写性能は大したものです。

試しにFUJIFILM X-T3 に XF35mmで撮影すると、LCDのプレビューがチリチリして見えます (白い細かなテクスチャが、青や黄色に分かれて輝く)。いわゆる偽色の一種でしょうか、これは非常に解像度の高いレンズを付けて撮影したときにX-T3で発生する現象です。SIGMAの18-35mm F1.8でも見られます。

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モノとしての面白さ

とにかく軽量です。カメラを片手で持った時のバランスがちょうどいい。

XF35mmでストリートスナップに出かけると、まるで α6300 + SELP1650 で撮影していた頃の純粋さを思い出したような気分になります。2つのレンズで解像度に雲泥の差がありますが、どちらも真のミニマル感を味わえる道具といえます。

そこそこ寄れるレンズです。手元を写すのに最適な最短撮影距離だと思います。寄れると日常の写真が楽しくなりますね。たとえば親しい人の一瞬を撮りたいのに、AFが合わないから距離を置くなんてさみしいですからね。もしXF23mm F1.4 が XF35mm F1.4と同じくらい寄れれば、真っ先に23mmを買っていたと思います。

映画をじっくり撮るなら換算50mmが便利ですが、旅や風景の記録・人の写真では、換算35mmの出番です。上下の狭い16:9の動画では、焦点距離の感覚が写真と変わります。

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そしてなにより、このレンズは見た目のデザインが素敵だと思います。

クラシックな角型レンズフードが付属します。このフードは取っても外しても見た目に違和感が無くて、デザインの力を感じます。反面、レンズキャップが外れやすいのはマズい気もしますが。


まとめ

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XF35mm F1.4 は、撮影に関するあらゆるポイントがちょうどいいバランスに収まっています。

たしかに世の中には解像度の高いレンズも、ボケに特化したレンズも軽いレンズもたくさんあります。でもそれらをこのサイズにまとめて、しかも5~6万円程度で手に入る、というのはどう考えても幸せなんですよ。

速い被写体を追いかけるなど限界を行く撮影でなければ、文句を言わせないレンズではないでしょうか。

ここ1年、映像学区では「カジュアルな撮影」をテーマにしてきました。ここでの「カジュアル」は「仕事・業務」の対称としてとらえていて、XF35mm F1.4はそんなテーマに沿った機材の1つです。印象的な画と秀逸なサイズを兼ね備えています。コストパフォーマンスも素晴らしいです。

→  FUJIFILM XF35mmF1.4 R (FUJIFILM)


→ 『XF35mmF1.4でつづる日常スナップ』



 
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