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厳冬と色彩の宗谷を目指して|Classic ChromeとVelviaで撮るオホーツクの風景

道央道・国道40号線を北上する。 厳冬の北海道を旅する写真旅。2日目は旭川市内から国道をひた走り、最北の地「宗谷岬」をめざします。北海道の霞んだ冬空が印象的な朝です。途中の旭川~士別までと、名寄~美深までの区間は高速道路を使います。 雪は綺麗に道路わきに追いやられており、走りやすい1日でした。 道路の上に、見慣れない矢印の標識が登場します。 これは雪による視界不良のときに、路肩の場所をおしえてくれるサインです。その一部は夜間に誘導灯としても機能します。かなり整備されている道路とはいえ、雪や急な気象の変化は道外からの観光ドライバーを苦しめます。 開けた土地では、山からの風が止まることなく吹き荒れます。そのため道路には、地吹雪を抑えるための「防雪柵」や「防雪林」が並んでいます。幸い今日は快晴で、お世話にならずに済みそうです。 冬場は景観を妨げてしまう防雪柵ですが、夏シーズン中はカンタンに分解できるような構造になっているそうです。 国道の脇を走るJR宗谷本線の列車を撮るために、美深の踏切に立ち寄りました。お目当ては昼間に運行される除雪列車「宗谷ラッセル(通称)」です。長い宗谷本線を南北2区間に分けて、除雪列車が運行されています。 しかしあまりにも天気がいいため、ついにラッセルがやってくることはありませんでした。 撮影準備の風景です。雪壁のせいでなんだか乱入撮影みたいに見えますが、線路からは距離をおいています。右から2番目が私の機材。X-T3 + XF100-400mm。 いわゆる"撮り鉄カー"に同乗したのは久しぶりですが、やはり荷物が多いなぁと思いました。これでも必要最低限をトランクに積んでいるのですから驚きです。大きな脚立と三脚が目を惹きます。 しばらく走ると、音威子府村に到着しました。「音威子府そば」という黒い蕎麦が有名です。 北海道を代表するコンビニ「セイコーマート」で一休み。 セイコーマートの食の充実っぷりは、事前に聞いていたとおりでした。個人的には味はもちろん、コストパフォーマンスのほうに感動しています。スパゲッティ・お弁当・総菜の種類が豊富で、他のコンビニより少しコンパクトなんです。値段が1品¥200くらいなので、軽食をとりたいときに重宝しました。ボリュームの調節が自由自在です。 商品ラインナップもさることながら、その出店規模もすさまじい。音威子府村のような人口減少に悩む地域であっても、躊躇なく出店してくれています。旅行者はぜひ立ち寄るべきコンビニです。 音威子府村からオホーツク海へ かつての音威子府駅からは、今ある「JR宗谷本線」のほかに「JR天北線」という鉄道路線が分岐していました。宗谷本線が山の中を稚内方面まで超えていくのに対し、天北線は東のオホーツク海に沿って走り稚内へ向かいます。 ここからは国道を乗り換えて、かつての天北線沿線をめぐります。 さきほどからすれ違う車が減ってきています。そして道路を歩いている人もほとんど見かけません。代わりにシカが歩いていました。夜に出会いたくない動物たちです。 乾燥した雪原が広がります。おそらく夏シーズンのみ姿を現す「林道」「4桁道道」などが、どこかに隠れているはずです。このあたりを少し入ると未舗装道路などがいくつかあって奥深いです。 一面の銀世界から顔をだす植物があると、思わずカメラを向けてしまいます。 地域を結ぶ路線バスとすれ違いました。 鉄道が廃線となった後に走るバスも、本数はそこまで多くはありません。 風力発電機と、沿岸の漁港。 オホーツク海が見えてきました。ちょうど日が傾く時間です。 FUJIFILMのカメラに搭載されたフィルムシミュレーションについて、冬場は「クラシッククローム」を使っていましたが、一瞬だけ「Velvia」に切り替えます。彩度が一気に上がります。 国道沿いに並ぶ風車たち。 場所にもよりますが、北海道の沿岸部は本当に風が強いです。「おもりをつけているはずのバス停が吹っ飛ばされる」みたいなエピソードを聞いたことがあります。 猿払(さるふつ)を通過。東西冷戦時代の名残で、この辺りには自衛隊の駐屯地が点在しています。崖を見上げると動物の姿が見えました。 宗谷丘陵を向こうに。 風景があまりにも素晴らしいので車をいったん停めました。宗谷の魅力は「岬」と「丘陵」です。風車だけが並ぶ光景は、道北の象徴と言ってもイイでしょう。 一面みどり色に染まった夏の宗谷は魅力的ですが、人を寄せ付けない雰囲気のある冬の丘陵も、遠くから眺める価値があります。私たちはここで何枚も写真を撮りました。 静かに夕日が落ちていきます。次回へ続く。

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TAMRON 18-300mm (Xマウント) で飛行場散策

2021年秋に発売された「TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」は、FUJIFILM Xマウントの歴史に大きな一歩を刻む1本でした。このレンズはXマウント向けに作られた初めての「広角から超望遠まで1本でつなぐ高倍率ズーム」だからです。 今回は、株式会社タムロンさんよりご協力をいただき、約1か月間このレンズをお借りしたうえでレビューしました。 YouTube『ゆっくり映像学区』シリーズでは、実際に18-300mm F3.5-6.3を持って飛行場を散策し、一人称視点の撮影風景をお届けしています。当ブログ記事と合わせてご覧ください。 これまで映像学区ではほとんど触れてこなかった換算450mm、そこにはどんな写真が待っているのでしょうか。 TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061) 焦点距離18-300mm長さ125.8mm明るさF3.5-6.3質量620g画角77°24'- 5°30'絞り羽根7枚 (円形絞り)最大径Φ75.5mm最小絞りF22-40最短撮影距離0.15m (WIDE) / 0.99m (TELE)標準付属品花型フード、レンズキャップ最短撮影倍率1:2 (WIDE) / 1:4 (TELE)対応マウント富士フイルムXマウントフィルター径Φ67mm希望小売価格96,800円 (税込) 外観や質感 TAMRONのレンズらしさがある外装です。プラスチック製ながら触り心地のいい本体で、おうちのインテリアにもよく馴染むデザインになっています。 本格的なレンズレビュー動画を作るのは初めてでしたが、レンズ本体を撮影するのもなんだか楽しかったです。 現代的な外観ながら、レトロなFUJIFILM機の雰囲気にも意外とマッチします。 使い心地 18mmから300mmをカバーしながら、レンズ本体の重さはわずか600g台に収まっています。 グリップの薄い FUJIFILM X-T3 と運用しましたが、カメラを片手で握って長時間歩いても、ほとんど負担を感じません。 一緒くたに比較するのもどうかとは思いますが、もしこれが XF100-400mm のようなデカい望遠レンズであれば、翌日の筋肉痛を免れなかったことでしょう。やはり18-300mmは超望遠としては信じられない快適性です。 ズームリングは適度なトルクで回ります。 望遠側でズーム中に若干引っかかりがありますが、気になるほどではありません。 欲張りはよくないですが「やっぱり、絞りリングがほしいなぁ……」と何度も思いました。 →というのも、X-TシリーズのカメラでISO・F値を調節するとき、前ダイヤルを押して交互に切り替える羽目になるからです。これがまぁ誤操作しやすいんですよ。(どっちかというとレンズの機能よりも、FUJIFILM機自体がネックである気がします) 写真撮影|PHOTO ※映像学区は画質評価のプロではないので、詳細な画質については別のメディアも参考にしてください。 画質は、高倍率ズームレンズとは思えないほど美しいです。 たしかに単焦点レンズと比べたら勝敗は明らかですが、私たちがWEB用途で写真を撮ると考えれば、このレンズで撮った写真は「美しい」と評価できます。 正直私は、過去の先入観にとらわれて高倍率ズームレンズを侮っていました。 また、18-300mmは信じられないほど寄れるレンズです。レビュー動画ではステーキの写真で再現しましたが、「こんなに寄っていいの?」と思わせてくれます。…

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高倍率レンズで撮る、航空祭のF-16戦闘機|4K

みなさんこんにちは。 今回はXマウント用高倍率ズームレンズ「 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD 」をお借りして写真旅をしました。18-300mm という焦点距離によって、広角から超望遠までレンズ交換なしに撮影できる1本です。 詳しいレビューは動画や別の記事で公開します。 飛行場もふるえるエンジンサウンド この短編動画は、横田基地日米友好祭2022で撮影したものになります。友好祭がコロナ禍でしばらく中断されていただけに、当日はかつてないほどの大盛況だったようです。入場までに30分以上かかった記憶があります。 当然展示飛行も人気です。わたしにこのイベントを教えてくれた友人が、「航空祭では航空ファンたちを追うといい」と教えてくれました。この助言に助けられて、私はF-16の最前列を確保することができたのです。 イケてるアメリカ人パイロットが、なにやら重装備でコックピットに乗り込みます。高倍率ズームレンズでその絵を撮影しました。写真で残すのも動画で残すのも情緒があっていいですね。 画質の良いところは FUJIFILM X-T3 + TAMRON 18-300mm (Xマウント)、ダイナミックな広角はGoPro HERO9で記録しました。エンジンスタートの音はT3の内蔵マイクで収録。意外といいステレオ音声で録れるんですよね。 背後でオスプレイが飛んでいきました。面白いカタチしたヘリコプターですね。 この敬礼とともに出発していく姿は、実に圧巻です。 まるで映画『トップガン』のようないかつい光景でした。ゆっくり実況写真旅の動画では「映画のワンシーンのような、とはこういうことを言うんですね」というセリフを挟みました。この枕詞はとろける夜景やぼかし表現に使われますが、私にとってはこんな一期一会の光景も十分にCinematicであります。 現場の環境はかなり過酷でした。駐機場の舗装路面の反射する熱のせいでしょうか、気温がぐんと上がってX-T3が何度か熱停止してしまうほどです。撮影中はヒヤヒヤもんですね。 お読みいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。

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映像学区のイマについてお知らせします

Twitterの一幕 映像学区の終わりがあるとしたら何をしようか、みたいな内容を先月ツイートしました。僕の文章力がよろしくないせいか、「映像学区って終わっちゃうんですか?悲しい……」という声を多数いただきました。たくさんのリプライありがとうございます。ちゃんとツイートの答えを予想してくれたみなさんにも感謝しています。 ※↓ちなみに誰も正解を導けていないです。映像学区のこれまでを見ていたら想像つきそうだけどなぁ…… (遠いか近いかいつかくる)映像学区の最終回に上げるテーマは既に決まっている。当てられたら面白い — 雪原てとら (@setsugen_tetra) May 11, 2022 このツイートによって若干の混乱を招いたような気がしています。さすがに申し訳ないので、ここでいくつか映像学区の今後について回答しておきましょう。 ①まず映像学区をすぐに終えるということは考えていません。それこそ今月や来月にも投稿予定です。そして「映像学区シリーズをいつまでに終える」という具体的なスケジュールも全く考えていないですよ、とお伝えしておきましょう。 ②しかし同時にうp主は、「何十年も映像学区を続けたくはない」とも考えています。なぜなら、みなさんの映像制作のヒントになるような動画だけを発信したいからです。みなさんにとって役に立ちそうなコンテンツをすべてお届けできれば、このシリーズの役目は終わりです。究極的には教科書とか作りたいですね。 ③収益化が剥奪されようがされまいが関係なく、粛々と動画やブログを投稿するつもりです。本当に大事なのは、私が小遣い稼ぎをすることではなくて、みなさんがマトモな動画を作るための踏み台を提供することです。要するに昨今のゆっくり収益化剥奪騒動はなんら関係ないということです。この騒動はじめ、近頃のゆっくり関連については物申したいことが山ほどあるので、別で記事にしたいと思います。 ④2022年の投稿頻度が落ちている理由を述べておきましょう。1つは純粋にうp主が忙しいからです。うp主は学生ですが、昔から周りの学生よりも理解に時間がかかる場面がちらほらあって、動画投稿を優先できなくなっています。かといってチャンネルを閉じるのももったいない。そこで当分のあいだ、季刊・月刊のような投稿頻度をお許しいただきたく思います。 ⑤動画投稿を優先していない理由はもうひとつあります。動画以外の創作活動をやりたいからです。写真旅を除く映像学区シリーズは音楽や絵を組み合わせた”資料”の面が強いので、どうしても”うp主のクリエイティブ感”が薄いんですよね。映像学区をプロデュースするほかに、DTM・劇伴作曲に手を付けたいと考えています。同志がいたら声かけてもらえると嬉しいです。 ⑥今後の投稿予定です。うp主がインスピレーションを貯めているしばらくの間は、写真旅シリーズを充実させたいと考えています。過去のチュートリアルの実践編として、小旅行を楽しんで貰えれば幸いです。現在うp主の傾倒しているジャンル「 POV Photography Vlog 」から学んだ技術をみなさんの制作にいかしてください。 ⑦メイキング動画・デザイン関連・グッズ関連などなど、昨年までのコメントで「〇〇やる予定です」と返信したことの8割くらいが達成できてなくてごめんなさい。全部やりたいという気持ちは変わらないし、ゆるやかに計画を勧めているものもたくさんあります。

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FUJIFILM X Seriesでめぐる、東京・高尾山スナップ

※2021年12月の動画をもとに執筆した記事です。 週末フォトグラファーとしてお出かけせずにはいられない紅葉シーズン。遠くに出かけるのもいいですが、首都圏でも存分に秋のカラーを楽しむことができます。新宿駅から京王線に揺られておよそ50分。やってきたのは東京・高尾山です。 豊かな生態系と仏教文化がもてなすこの場所は2020年、「霊気満山 高尾山」のキャッチフレーズのもと、文化庁の認定する「日本遺産」として登録されました。かつて東京都民だったうp主も、何回か訪れたことがあります。 シーズン中の高尾山へ入る前に、注意することがいくつかあります。 1つ、トイレは高尾山口駅よりも手前で済ませておきましょう。ハイキングコースにさしかかる前から、トイレは大変な混雑をみせます。トレッキングシニアが多いからでしょうか(棘のある表現)。トイレごときで道中ピンチを迎えたくはありません。 もう1つ、紅葉シーズンのケーブルカーはとても混雑します。そこでぜひ山道を踏破してみるのをおすすめします。特にVlogを作りたい人は晴れの日を狙ってハイキングを計画してみましょう。 ケーブルカーはずいぶん新しくなりましたが、プラットホームにはクラシックな表記が残っています。運営会社は京王電鉄やのちに述べる薬王院が株主となっているそうです。さすが京王イチオシの観光地。 さっそく山道へと挑みます。 もみじに映える、旅のレンズ 混雑したコースでレンズ交換をするのは至難の業です。そこでボディを2台持っていくことにしました。 グリップの深い FUJIFILM X-H1 には XF56mm F1.2 をつけています。暗がりの高尾山参道でも味わい深いボケを楽しむことができます。中望遠で被写体を際立たせる、人混みの中ではうってつけのレンズですね。 いつもお馴染み、FUJIFILM X-T3 と XF 10-24mm F4 のキットも持ってきました。インナーズームを搭載している軽いレンズなので、こちらは電動スタビライザー「 RSC2 」へ載せっぱなしにできます。動画も写真も1本で撮れるのでコスパ最強。 自動車のワイパーに落ち葉が積もっています。撮っているうp主にとっては嬉しい風景ですが、ドライバーさんにとっては掃除が億劫でしょうね。急峻な高尾山ですが、いくつか細い車道が整備されています。 高尾山の山道は”参道”でもあります。およそ1200年の歴史をもつ、薬王院というお寺があるからです。聖武天皇の勅令を受けて、歴史上でも有名な高僧行基により開山されました。豊かな自然と生態系に囲まれた大本山です。 そのシンボルは天狗様。これはかつて高尾山で行われてきた山伏修行の名残といわれています。高尾周辺では天狗像の姿をいたるところで目にしました。秋が深まるこの季節、像は日陰でひんやり輝きます。 どこも観光客でいっぱいです。 東京を見晴らすハイキング 山でストリートスナップをすると体力を消費します。高尾山は東京で最も親しみ深いヤマですが、それでもかなりの急坂です。休み休みいきましょう。うp主は疲れていたせいか、落ち葉と砂利で脚を滑らせそうになりました。 高尾山にはたくさんのハイキングルートがあります。ケーブルカーでのショートカットはもちろん、観光メインで楽しみたい人のための1号路、ちょっとハードな3号・6号路、さらに稲荷山から陣馬山へ抜けるルートまで。山に求めるアクティビティに合わせて、様々なチョイスができて嬉しいですね。 いくつかの地点では西東京を一望できます。この景色のなかで何百万もの人々が暮らしているわけです。 日本の誇る東京は、他のさまざまな県や市と密接に結び付いて、大きな都市圏を形成しています。これを地理用語でコナベーションというそうです。高校で教えてもらいました。 世界でも指折りの大都市「首都圏」。それが地平線の彼方まで広がっていました。壮観です。 さて次回はどこへ行こうかしら……。

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羽田から美瑛へ一直線|銀の世界の前日譚

YouTubeで公開中の、ゆっくり実況『銀の世界の写真旅Ⅱ』。実は、25分間のドキュメンタリー映像に収められなかったカットがいくつかあります。たとえば初日に通りがかった美瑛という町では、まさに北海道らしい風景が迎えてくれました。未公開のままではもったいないので、公式ブログで前日譚として振り返ります。 午前7時の朝焼け。羽田空港 わずか3泊4日で北海道を縦断する今回のゆっくり写真旅。現地での行動時間をできるだけ確保するため、私たちは朝1番の羽田発 - 旭川行きJAL便を予約しました。 まだ日も登っていない時間から羽田空港を目指します。スーツケースを曳いて京急線の駅に立つと、非日常観がすごいですね。周りの乗客達もみんなスーツケースを持っているのが面白かったです。羽田へ一直線、京急らしい朝です。 出発予定日ドンピシャで東京都心に大雪予報が出ていたため、はたして飛行機が飛ぶのか内心焦りが止まらなかったです。スケジュールがきつめですから、1便欠航しただけで動画のクオリティーに影響します。1カットにかかる撮影費用がトップクラスに高いゆっくり実況だと(自負しているので)、緊張感が違いますね。 そんな経緯もあり、冬雲の隙間から朝日が差し込んだ羽田を見た時はホッと一息つきました。 工業地帯・倉庫地区が奥に広がる羽田空港。 機内では、到着前に現地の天候を教えてくれます。服装の目安になっていいですね。 でもいきなり「けさの旭川空港の気温は……マイナス18℃(云々)」とアナウンスされれば、さすがに度肝を抜かれます。満席の機内、旭川に慣れて良そうなお客さんばかりですが、そんな彼らもちょっと動揺するレベルらしいです。勘弁してくれ。 うp主はスキー経験があるので、長野の山岳でマイナス10℃台を経験したことは何回もあります。しかし”空港があるような普通の場所”でマイナス18℃とは、想像を超えてきました。 実際のところは太陽が出さえすればそれほど寒くは感じません。乾いた冷たい風が吹いていますが、カメラマングローブさえあれば大丈夫です。せっかくの晴れを撮影に活かしたいですね。 Kenko カメラマングローブ NEW Grip Hot Shot IV Lサイズ ミトン付き 親指/人差し指開閉式 タッチパネル対応 グリップ素材 WR-NGHS04L created by Rinker ケンコー(Kenko) 「地平線=雪」の空間を味わえる 旭川空港でレンタカーに乗り込んだ私は、美瑛という街へ向かうことにしました。2日目の出発地となる旭川駅とはまったくの逆方向ですが、さほど遠くはないので簡単に訪れることができます。道幅の広い国道をひたすら辿っていくだけのルートです。地吹雪が無ければ雪道初心者でも十分運転できます。 美瑛町観光協会がホームページでも訴えかけるとおり、美瑛は「丘のまち」です。その美しさから「セブンスターの木」のように、広告やパッケージのロケ地となってきました。 冬の時期は一面が雪で覆われるため、「雪原にポツンとある木」をたくさん目にすることができます。ちょうど駐車スペースを見つけたので、56mmの単焦点レンズ1本で歩くことにしましょう。 美瑛で撮った写真は、すべてカメラから出しただけの「撮って出しデータ」で掲載しています。ベタな写真スポットをレタッチで盛るってのは、どうにもオリジナリティを感じないからです。うp主個人の意見です。 さて、カメラの設定をお話を挟みましょう。FUJIFILMのカメラに搭載されたフィルムシミュレーションから、今回は「クラシッククローム」を選んでいます。彩度が控えめな色調設定なので、見たありのままを表現できます。反面、北海道の霞んだ空を撮ると、インパクトに欠ける気もします。「Velvia(ベルビア)」で設定したほうが無難かもしれません。 遠くの冬山がぼんやり霞んでいます。北海道の冬はどこいってもこんな感じなのでしょうか。思わずLightroomで「かすみの除去」をかけたくなりますが我慢しておきましょう。ありのままの写真もまた一興。 真っ白な丘にじーっと目を凝らしてみましょう。奥にむかってジグザグと伸びる足跡がありますが、誰かが丘を踏破しようとしたんでしょうか。写真を拡大するたび、シュールな光景に笑いがこみあげてきます。 美瑛の街並みをさぐる。 丘をくだると美瑛の町にたどり着きます。「美瑛」という響きはきれいですが、ストリートスナップの構図は組みにくい町だと思いました。天気が冴えた日には、奥の山岳系をうまく入れられるのかもしれませんが。 JR富良野線の美瑛駅が、町の中心になっています。 旭川や富良野から、1時間に1本くらいの頻度で短いディーゼル列車がやってくるようです。タイミングが悪く列車を待つことはできませんでしたが、北海道らしい駅名標を見られただけで満足です。 銀の世界の前日譚。古き良き時代の名残を感じるフォトウォークとなりました。

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厳冬のJR旭川駅|写真旅へといざなう玄関口

真っ白の世界をファインダー越しに眺める。そんな撮影をかなえるために、2022年冬の北海道写真旅を計画した。4人で巡る弾丸旅程を組んだが、初日はあえて、1人でレンタカーを借りて旭川市内を散策した。川沿いに並ぶ現代的でヨーロピアンな街並みは私の期待を超えていたし、実に満足のいく一眼映像をゲットできた。詳しくはまた別の記事でお話ししよう。 その晩、同行するクリエイター仲間を待ち合わせるまで少し時間が余ったのでJR旭川駅を訪れた。 銀の世界の写真旅Ⅱに登場した風景は、除雪列車・廃線・峠越えなど、いずれも鉄道に関わるものばかりだ。”鉄道”という1つのテーマを考えると「ターミナル駅の雪夜」でスナップフォトをするのは自然な流れだった。 ※コメントでご要望をいただきましたので、本記事ではEXIFデータを載せています。 JR旭川駅の厳かな現代建築 JR函館本線の電化区間は、小樽から札幌・岩見沢を経由して旭川周辺まで。ここが日本の”電車”で到達できる最北地点のひとつといえる。これより先へいくと、まもなくディーゼルカーしか走れない区間に入る。 旭川駅はまた、遥か南からやってきたJRの線路が最後に通る、立派なターミナル駅ともいえる。ここから各路線とも、町こそ経由するけれど、結局は人口希薄地帯の峠に突っ込んでいくあたり共通している。 FUJIFILM X-T3 XF10-24mm F4.0 1/125s ISO4000 凍てつく気候環境に耐えながら目的地へゆく列車の姿は、本当に勇ましく感じる。こんなことを言うと怒られそうだが、旭川は最後のオアシスというか前線基地というか、なんだかそんなシナリオが思い浮かんで勝手に刺さってしまった。すべて夜空と建築と車両の織り成すムードが完璧すぎるせいだ。 FUJIFILM X-T3 XF10-24mm F4.0 1/100s ISO3200 FUJIFILM X-T3 XF10-24mm F4.5 1/60s ISO2000 最終の特急列車を送り出すターミナル 1898年の開業以来、姿を変えながら旭川市内の代表的な建築でありつづけている駅。現在の駅舎は2010年に全面開業した4代目のものである。そのコンコースには北海道産の木材が使われていて格式高い。 暖房のために仕切られたエスカレーターを上り下りしてみる。ここはジャズみたいな音楽まで流れていて温もりを感じた。対照的にプラットホームには北海道の冷たい空気が流れる。 FUJIFILM X-T3 XF10-24mm F4.0 1/250s ISO2000 FUJIFILM X-T3 XF10-24mm F4.0 1/250s ISO2000 FUJIFILM X-H1 XF56mm F1.6 1/500s ISO640 旭川始発札幌方面の特急。清掃整備を終えた車両が、まばらにやってくる乗客を迎える。およそ10年前に(まだ私は小学生だった)津軽海峡線で乗ったことのある車両だ。青函トンネルが新幹線に受け継がれた今、こんなところで走っているのかと懐かしい気持ちになった。10年ぶりの北海道。現地で見る感動は大きい。 FUJIFILM X-H1 XF56mm F4.0 1/60s ISO2500 FUJIFILM X-H1 XF56mm F1.2 1/160s ISO800 L:X-H1…

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伊勢原・大山阿夫利神社を散策する。

神奈川県の大山は、信仰・登山・食文化の観光地の1つです。国鉄の"駅"(と称したバス停)が設置されているほど、古くから人々に愛されています。横浜を拠点とする映像学区にとっても、気軽に訪れることができていいです。まぁ地元に住んでいる人間は、気軽に行ける観光地ほど行かないんですが。 小田急の伊勢原駅からバスに乗って約30分ほど。 渓谷や豆腐のお店を通りぬけて、緑のロープウェイに乗車するとすぐに到着です。 首都圏に住んでいると、ついつい大手私鉄に対して「都心からベッドタウンまで」という刷り込みを受けてしまうように感じます。でもベッドタウンのすぐ向こうには、山だったり大自然だったりが待っているわけです。1時間近く電車に揺られていって、いざ「山」を感じるとびっくりします。 そういえば伊勢原に住んでいる私の友人は、「もうすぐ猟のシーズンだわ」みたいなことをよく話してくれました。自然と人間が共存しているわけですね。 この記事は、SONY α6300 と SIGMA 18-35mm F1.8 で撮影しています。撮って出しの色ノリを求めて FUJIFILM のカメラに移行した私ですが、約1年前に撮ったこれらの写真を見て「SONYのJPEG、これはこれでいいなぁ」と思い直すようになりました。線香の質感を巧みに表現してくれています。

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バイバイ、Adobeコンプリートプラン

あらゆるクリエイターが結局手を出すことになるソフト群、Adobe Creative Cloud。サブスクリプションタイプの料金体系になっていて、通常加入すると毎年¥60,000 から¥70,000 くらいを支払うことになります。その金額と普及具合から、しばしば「Adobe税」とも呼ばれています。 この1年間、Adobeコンプリートプランに入ることでたくさんの編集ソフトを体験できました、が。 映像学区のうp主として、そろそろAdobeプランの整理をするときだと思いました。他の記事でも述べたとおり、私はプロレベルの動画制作を追求するよりは、カジュアル(お手頃な趣味)レベルでどこまでを当たり前に出来るか探るのが好きだからです。なるべくお金はかからないのが理想でしょう。 近年では代替になりうるソフトも姿を見せてきていることから、よく「Adobeを脱出」と触れ込む記事で紹介されています。 しかし何も考えずにいきなり全プランを解約してしまうのは、なんだか違うような気がしました。それは各ツールのメリット・デメリットを完全無視しているようなものだからです。とりあえずはAdobeから逃げようとするのではなく、そこそこにAdobeに浸り、ほどほどに外部のソフトに置きかえたいと思います。 そのためには、本当に必要な「Adobe 〇〇 CC」がどれなのか、洗い出さねばなりませんね。 これからも使いたいソフト Lightroom Classic Lightroomは、写真管理のソフトとして優秀です。HDDの写真をとりあえず放り込みっぱなしで管理できます。あとは暇な時にライブラリを漁ってレタッチするだけ。 無印版とClassic版のあるLightroomですが、私はClassic版だけを使っています。参考にしているフォトグラファーさん達がみんなClassic版でレタッチしているからです。私は写真の物足りなさをレタッチで補うことが多いので、これからも勉強しながら使いたいと思いました。 Photoshop Photoshopはサムネイル制作に使用しています。特にサイズの大きな「一眼写真」を効率よく処理するなら、Photoshopの出番です。写真を扱うデザインならillustratorよりもこちらのほうが向いています。 以前映像学区の動画で「GIMPを使うと似たようなことができるよ」と書いたことがありますが、使い心地はPhotoshopのほうが勝っていると思っています(これは慣れの問題)。 ちょっとした図形やテキストを入れるくらいのデザインならPhotoshopが便利です。写真・テキスト・図形を使ったコラージュ・サムネイル制作はもちろん、やろうと思えばPDFで電子書籍を作ることもできるはずです。まるでillustratorやIndesignの専業分野に足を踏み入れている気分です。 Adobe Fonts Adobe Fontsは、「小塚ゴシック」や「Futura」はじめ高いクオリティのフォントを無制限にゲットできるサービスです。Adobe FontsでアクティベートしたフォントはPCのAdobe以外のソフトでも使うことができます。 あくまで「いいフォントのピックアップ」なので、デザインをガチでやりたいならフォントメーカーのパックを買ったり、サブスクに投資することをおすすめします。とはいえ、趣味レベルで動画を作るには十分すぎるラインナップなので、これからも積極的に使いたいと思います。 代替が効くソフト Premiere Pro Premiereと似たソフトにDaVinci Resolveがあります。写真や動画でVlogを作る用途であれば、Resolveに移行してもほぼ問題なく使うことができます。 ただし、Adobeの他のソフトと連携して動画を作る人はPremiereがベストです。特にDynamic Linkという機能が使えなくなると、おしゃれなアニメーションやトランジションカットをAfter Effectsから引っ張ってくることができなくなります。 もっとも私は、どちらかといえばニッチな事情でPremiere ProからResolveに移った経緯があります。 普段FUJIFILMのカメラで動画を作る際、HLGで撮影してからグレーディングしています(あまりいい使い方ではないかもしれませんが……)。ところが2022年以降のPremiereにHLGを読み込むと、はじめ自動変換されて白飛びするようになってしまいました。SDRに変換すればいいお話なのですが、工程が増えて面倒なので、Premiere自体使うのをやめてしまいました。 使わなくなったソフト illustrator パスがめんどくさくなった。路線図みたいな複雑なデザインを作るなら必須。 After Effects 処理を要する複雑なアニメーションにあまり関心が持てなくなってしまった。AviUtlのほうが操作性が軽快に感じた(慣れの問題なのだがめんどくさくなってしまった)。いろいろあって使うことがなくなった。 まとめ|今のわたしはフォトプラン ということで今後1年間はAdobeフォトプランで乗り切ることにしました。 フォトプランには学割が効きませんが、それでも月額¥1078 と安いです。コンプリートプランが学割価格でも月額¥3000近くであることを考えれば、フォトプランのコスパは悪くないと思います。 FreeBeeケーブルクリップ、ケーブル管理クリップ、ックシリコン接着剤ワイヤーケーブルホルダー、電源コード用ケーブルコード管理オーガナイザー、USBケーブルクランプ【3 5 7穴】(黑) created by Rinker freebee …

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FUJIFILM XF35mm F1.4がなぜ素晴らしいか

2012年発売 ”神の単焦点レンズ” 映像学区の愛用しているFUJIFILMのミラーレス規格、Xマウント。その黎明期に誕生したレンズが「XF35mm F1.4 R」です。発売から10年経った現在でもその人気は衰えず、「神レンズ」と界隈で崇拝されています。今回はこの35mm F1.4を実際に1シーズン使ってみた感想を書きます。 正直私は「神○○」や「買わないと損」というクチコミをあまり信じない人間なので、ただ言葉遊びに乗じているだけじゃないの?と思っていました。このXF35mmはだいぶクセのあるレンズだからです。 まずフォーカスモーターがとてもうるさい。よくある画角の純正単焦点レンズなのに前玉が動く。ゴミが入らないか心配。レンズキャップが緩すぎて使い物にならない。絞りリングの固さがロットによって違う。 「こんなモノを推すFUJIユーザーは、マゾヒスト集団なのか」と思っていた頃さえありました。でもいざ使い慣れるとその感想や印象ががらりと変わったんです。やはり良いモノは使ってみて、やっとちゃんと魅力が分かるなぁと思いました。 「これ。デメリットなんて、どーでもよくなってくる銘玉だぁ(錯乱)」 画質の面白さ ボケのクオリティが高いです。すごくとろ~んとしています。 「何気ない日常を映画っぽく」というフレーズはこじつけがましくて個人的にはあまり好きではないですが、このXF35mm F1.4にはそんな言葉がとても似合います。たとえば、生活感あふれる台所シンクにカメラを向けると、簡単にドキュメンタリーフィルムのような色と画が映ります。 ボケが綺麗なくせに、ピント面の解像度もちゃんと高いです。細かいテクスチャにピントを合わせるとよく解像します。 試しにFUJIFILM X-T3 に XF35mmで撮影すると、LCDのプレビューがチリチリして見えます (白い細かなテクスチャが、青や黄色に分かれて輝く)。なんともブログでは表現しづらいんですが、これは非常に解像度の高いレンズを付けて撮影したときにX-T3で発生する現象です。SIGMAの18-35mm F1.8でも見られます。LCDの限界に近いせいなのかしら。 フラット化する世界(上) created by Rinker ¥38 (2024/04/24 20:43:23時点 Amazon調べ- 詳細) モノとしての面白さ とにかく軽量です。カメラを片手で持った時のバランスがちょうどいい。 XF35mmでストリートスナップに出かけると、まるで α6300 + SELP1650 で撮影していた頃の純粋さを思い出したような気分になります。2つのレンズで解像度に雲泥の差がありますが、どちらも真のミニマル感を味わえる道具といえます。 そこそこ寄れるレンズです。手元を写すのに最適な最短撮影距離だと思います。寄れると日常の写真が楽しくなりますね。たとえば親しい人の一瞬を撮りたいのに、AFが合わないから距離を置くなんてさみしいですからね。 もしXF23mm F1.4 が XF35mm F1.4と同じくらい寄れれば、真っ先に23mmを買っていたと思います。 映画をじっくり撮るなら換算50mmが便利ですが、旅や風景の記録・人の写真では、換算35mmの出番です。上下の狭い16:9の動画では、焦点距離の感覚が写真と変わります。 そしてなにより、このレンズは見た目のデザインが素敵だと思います。 クラシックな角型レンズフードが付属します。このフードは取っても外しても見た目に違和感が無くて、デザインの力を感じます。反面、レンズキャップが外れやすいのはマズい気もしますが。 このとおり XF35mm F1.4 は、撮影に関するあらゆるポイントが「ちょうどいいバランス」に収まっています。 たしかに世の中には解像度の高いレンズも、ボケに特化したレンズも軽いレンズもたくさんあります。でもそれらをこのサイズにまとめて、しかも5~6万円程度で手に入る、というのはどう考えてもシアワセすぎるんですよ。 速い被写体を追いかけるなど「限界」を行く撮影でなければ、文句を言わせないレンズではないでしょうか。 ここ1年、映像学区では「カジュアルな撮影」をテーマにしてきました。ここでの「カジュアル」は「仕事・業務」の対称としてとらえていて、XF35mm F1.4はそんなテーマに沿った機材の1つです。印象的な画と秀逸なサイズを兼ね備えています。コストパフォーマンスも素晴らしいです。 FUJIFILM 単焦点標準レンズ…

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