首都圏でも気温が10℃半ばを行ったりきたりするようになった。
この時期に街の公園をお散歩すると、暖色に染まる森の風景を楽しむことができる。17時の空気はひんやりと冷たい。少し厚着をして、56mmF1.2の単焦点レンズ1本でスナップ写真を撮った。夏の写真とはまた違い、色彩豊かなくせに、VelviaよりChromeの色味が似合う。
11月が始まった。
ハロウィーンを越えてしばらくすると、あっという間にイオンモールはブラックフライデー一色になるし、気がつけばクリスマス、そしてきっと慌ただしい師走の日常とともに2022年もお別れだ。
今年が終わるまでに、映像学区では何が残せるだろうか。見ているすべての人にどんなコトを伝えようか。現在進行系で原稿を執筆しているので楽しみにしていてほしい。
映像学区の写真旅シリーズの原稿には、しばしば「季節のひとときに」というフレーズが登場する。旅先で1枚1枚の映像から言葉を拾い上げるのは骨の折れる作業だが、「四季」の彩りは必ずどの1枚にも詰まっているのだ。「ボケ感」「色味」「露出」といったテクニックの説明とはまた違う、それぞれの空間の味が写真には残っている。
最後に制作したゆっくり写真旅は「銚子・犬吠」回だった。撮影した時期は、自転車を漕いでいるだけでクラクラするような真夏。動画を出さないうちにあっという間に肌寒くなったものだ。
読者のみなさんの中に「季節が変わる瞬間」がはっきり分かる人はいるだろうか。わたしはおうちの玄関をひとたび開ければ秒で分かる。しかも「あっ、今日から冬だ」みたいな、断言ができるくらいに。どの季節も1日単位ではっきりと認識できるのである。春夏秋冬それぞれ、空気の匂いや湿り気がまったく異なるからだ。
ここまで敏感に季節変化が認識ができる人は、実はそう多くないらしい。家族に「今日から冬だね」と伝えても怪訝な顔をされるし、季節の変化が共有できる人はなかなか身近にいない。
なんだか個性の自慢のようにも見えるが、この"敏感さ"は実は良いことばかりではない。季節変化に合わせて、もろに精神面に影響してしまうらしく、自分のパフォーマンスが乱高下するのだ。特に今のようなシーズンはよくない。思い出せば、秋に自分の成績がよくなったことなんて一度もないし、1年で一番不幸なことがたいてい秋に起きる。
冬に向かって、潤んだ空気はリセットされ、自然の息吹が減っていく。四季のリズムに引っ張られて、「郷愁・虚しさ・はかなさ」のようなコントラストの薄い感情が心の中に渦巻いてしまう。美しいはずなのに、ちょっぴりブルーでもある季節だ。
街の自然がだんだん色を失い、少しずつ空虚が広がっていく。眠りについてゆく。言語化するのは難しいけれど、写真旅の1枚1枚には、微細な空気から読み取る思いが隠れている。
2022年も後半に差し掛かったいま、映像学区を振り返る中で印象深いシリーズが「銀の世界の写真旅」、雪と文化をテーマに日本をめぐるドキュメンタリーです。制作にあたって、雑多に撮り集めた動画を、いかにして映像学区らしく編集するかが課題でした。
私は美しい動画編集が大好きですが、面倒な編集はあまり好きではありません。「美しくてラク」という、わがままともいえる願いを叶えたい映像学区は、1年間ほどの写真旅を研究することで様々な気づきを得ることができました。
今回は、Davinci Resolveの小技・初心者に知っておいてほしいことをまとめます。
国内海外問わず、近年の映像系YouTuberは小型ドローンやFPSドローンをよく使っています。ドローンの俯瞰ってカッコいいですよね。誰でも安定した品質の映像が撮れるので「すごい時代だなぁ」と思っています。
ドローンの技術は色々なカタチで映像制作にフィードバックされているので、目が離せないですよね。例えば中国のDJIという会社は「ドローンを作っていたら、カメラの手ぶれ補正が分かってきたので、電動スタビライザーまで作っちゃった」という歴史があります。映像学区でも「DJI RSC2」というジンバルをよく登場させています。
ここまでうp主がワクワクしている様子をみると、そろそろ「なんでそこまで気になっているのに、映像学区はドローンを使わないんだ?」と気になってくる頃でしょう。
その理由は「飛ばすうえでの制約がめんどくさい」という1点につきます。
日本の航空法を確認していただくと、それなりの規模の街中でMavic Airを"自由に"飛ばすには、結構無理な解釈をするしかないことが分かると思います。(ここで細かく解説しませんが、それくらい複雑なルールです。YouTuberさんやレビュアーさんも間違えていたり、法律スレッスレを行ったりすることがザラにあるので注意が必要です。)
さらに厄介なことに、ドローンルールは年々厳しくなっています。昔は「300gの機体重量制限をDJIが299gでクリアする」みたいな光景をよく見かけました。でもそういった"いたちごっこ"も時間の問題で終わると思います。持っているドローンが使えなくなるリスクは冒したくないです。
たしかに、日本では趣味でドローンを飛ばせないわけではありません。海岸、洋上、箱根・すすき草原、自分の土地など、ルールを守れば勝手に飛ばしても怒られない場所はいくつかあります。趣味で集まって会場を確保して、ドローンレースを開く人もいます。
しかし負担が大きいのです。カジュアルとは言えないのです。趣味や旅行でドローンを持ち歩くのは、まだ気が進みません。大多数の場所が何らかの法律や書面・口頭での許可を気にすることになって、いちいち面倒くさいからです。厳しい制約で撮影回数が減るのでは、コストパフォーマンスにも影響します。(予算カツカツなのが悪いといえばそれまでですが……)
映像学区は「誰でもできる、カジュアルでカンタンな動画づくり」を謳っているシリーズです。現状ドローンの制約があまりにキツいのを見ると「万人向けじゃないよね」と結論づけるほかないような気がします。
ドローン宅配のような技術が進展すれば、もう少しルールが緩くなる可能性はあるかもしれませんが、まだ道のりは遠いと言わざるを得ません。
映像学区だけじゃないらしい
以前紹介した"ドイツの映像制作おじさん"こと、「Fenchel & Jenish」チャンネルも、実はドローンを使わない主義なんだそうです。2019年に投稿されている「Filmmaking Q&A」という動画で、視聴者から「なんでドローン使わないの?(使えばいいのに)」という質問に答えています。
彼らはその理由として「特にドイツのフランクフルト(活動拠点)では、ドローンの制約や法律がとても厳しく、免許を持っていない個人が飛ばすのは不可能に近い」と指摘しています。どうしても必要な場合は、ドローン映像の専門家に頼るそうです。
これは日本の首都圏と似ている状況で、とても参考になるなぁと思いました。ジンバルにカメラを乗せるくらいなら全く許可も免許も必要ないですが、ドローンになると途端に面倒が多くなってしまいます。この「Fenchel & Jenish」チャンネルは、三脚や単焦点レンズといった、超ド基礎の映像制作を学べる面白いチャンネルなので、ぜひ覗いてみてください。Vloggerとはまた違った観点から勉強できると思います。
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わたしたちは日々、AviUtlやPremiereや撮影機材のチュートリアルを見て、動画の作り方を学んでいます。映像学区でも、良い雰囲気の動画を編集するためのテクニックをたくさん紹介してきました。しかしテクニックを勉強する以前の問題として、知っておかねばならない「2つのデザイン」があります。
デザイン(Design)の意味
「デザイン」という言葉をデジタル大辞泉でひくと次のように書いてあります。
「実用」とか「目的をもって」っていい言葉ですよね。
このように言葉本来の意味を理解すると、デザインとは「ただただ難しい・すごい表現ばかりを追い求める」というものではないことがわかります。動画のシチュエーションにあっていない編集を「良いデザイン」とはいえないのです。
「狭義のグラフィックデザイン」
これまで映像学区では「動画にはデザインが大事だ」と繰り返してきました。たとえばチュートリアルでは、フォントやサイズを変えたりするところから勉強しました。これらはすべて狭義のグラフィックデザインです。
それだけじゃありません。画角や機材の選び方とか、よいテロップとか、エフェクトとか、アニメーションとか、カラグレとか、YouTubeで観られる動画編集チュートリアルのほとんどは「狭義のグラフィックデザイン」にあたるでしょう。
広義の企画デザイン
しかし動画を作る上で学ぶ「デザイン」はそれだけでいいでしょうか?
答えはNoです。もう1つ「広義の企画デザイン」を忘れてはならないと思うんですよ。写真旅でもチュートリアルでもなんでもそうですが、企画の段階からすでにデザインは始まっています。
「広義の企画デザイン」で表現を取捨選択。→→「狭義のグラフィックデザイン」を詰める。
これが理想の流れですし、デザインのいい動画を作るために欠かせないことです。
冒頭に述べた通り、動画のデザインには目的・実用性を組み込む必要があります。
だから企画デザインの段階で「これを見てくれる人はこういうことを知りたい層で、だったらこれは必須で、逆にこれは省いたほうがいい。」という想像をしておきましょう。この“想像”を飛ばすと、意味もなく凝った編集をやらかす可能性があります。
たとえば、イージングみたいなテクニックは狭義のデザインです。しかしイージングどうこう以前に、そもそも「なんでアニメーションを使うのか」という目的があるべきです。この目的が明確なら、広義のデザインを達成しているといえます。逆に目的が不明瞭だと、過剰なイージングのおそれがあります。
いかにラクに、求められている映像を、デザインするか
みんなすごい編集をしたがる世の中ですが、逆張りして「どうすれば編集をサボれるか」と考えていきましょう。実用的なレベルの映像表現を考えるのも、立派なデザインといえます。何でもかんでも動かせばいいものではない。何でもかんでも高いカメラで撮ればいいものではない。何でもかんでもゴリゴリのエフェクトを入れればいいものではない。
例えば「テロップを入れるのが面倒くさいけれど、実際のところそのテロップ自体いらなかった」みたいなことは、結構ザラにある事例です。それで制作コストが高くなったり投稿頻度が落ちたりしても、誰も嬉しくないです。
2つのデザイン(広義の企画デザイン・狭義のグラフィックデザイン)を満たす動画が増えることを期待しています。
この原稿はもともと、ゆっくり映像学区の最終回がくることを想定して執筆していたものです。しかしみなさんからのご視聴・コメント・感想ツイートによって支えられている現状をみると、「しばらくは最終回なんて出せないだろう」と吹っ切れた気持ちになりました。せっかくの内容を何年も出し渋るのは良くないですから、思い切って動画化することにします。
今回のお話では、「広義の企画デザイン」「狭義のグラフィックデザイン」という2つのキーワードが登場します。過去の映像学区からの伏線回収ともいえる内容にしてありますので、ゆっくりとご覧いただければ幸いです。
今日は、FUJIFILM X-T3というミラーレス一眼からバッテリーが抜けなくなって、とても焦ったというお話をしましょう。
ふだん私は「ゆっくり映像学区」というタイトルで様々な写真旅やVlogを投稿しています。しかし、リアルでは忙しい大学生として生きているので、毎日カメラを触っているわけではありません。それでも、ふとした時にパッと手に取って写真が撮れるよう、X-T3と単焦点レンズのコンビで部屋に飾っています。もちろんバッテリーは入れたままです。
しかしこれがすべての始まりでした。
先日、「しばらく写真撮っていないなぁ」と思って、カメラの電源を入れると液晶が点きませんでした。まぁよくあることでバッテリーが放電してしまったようです。X-T3 は USB-C端子から給電できるので、普段はわざわざバッテリーを取り出しません。ただその日はちょうど手元に予備バッテリーがあったので「入れ替えたほうが速いじゃん」と思いました。
ところがなんということでしょう。
蓋を開けてロックを解除してもバッテリーが滑り出てこないのです。えっ......?
こういった事件は誰でも起こりうるなぁと思ったので、私が試した対処法をまとめます。困っている方は参考にどうぞ。ただし無理はよくないので、どうしても出てこないときはサポートや修理を頼ってください。
ガムテープを貼って引っぱる
デジタル一眼レフのバッテリーが出てこない!簡単な取り出し方を紹介します | Tanweb.net
ガムテープをバッテリーにくっつけて引っ張るという方法があるようなので試します。テープに余裕をもって「引っ張りしろ」を作るといいです。コツは、テープをバッテリーにしっかり粘着させること。
粘着面だけは剥がれないよう押さえながら、テープの「引っ張りしろ」を指で引きます。何度か試してバッテリーの先っぽだけ引っ張ることができました。
ピンセットで掴んで引っぱる
バッテリーのアタマが出てきたところでガムテープが剝がれてしまったので、あとはピンセットで強引に引っ張ることにしました。
バッテリーのロゴ面が引っかかっているのですが、他の面には少しだけ隙間があります。バッテリーを引きやすくするため、隙間にゼムクリップを挿し込んでおきます。
「出てきてくれ......」と神頼みしつつピンセットで引っ張ると、なんとかバッテリーを救出できました。あぁよかった。
教訓
今回の事件で得た教訓。
なぜバッテリーが膨張したのかはわからないですが、なんにせよ使わないバッテリーをカメラの中に入れっぱなしにするのは、リスクがあるなぁと思いました。旅先でのトラブルじゃなくて本当によかったです。
もしかしたら、互換バッテリーゆえのトラブルだったのかもしれません。写真から見て分かる通り、引っかかったバッテリーはNP-W126S型バッテリーの互換品でした。
もともと互換バッテリーは、純正品に比べてバッテリーの持ちと耐候性が悪いので、旅でのバックアップ用にとどめておくべきでしょうかね。少なくとも今後は、「互換バッテリーを入れっぱなし」という状態をなるべく避けたいなと思いました。
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映像学区ドキュメンタリー最新作
鉄道撮影は1つの文化だが、写真に込める思いは人それぞれである。このドキュメンタリーでは、『特急ロマンスカー』の"すれ違い・並び”撮影に情熱を注ぐ1人のクリエイターを取材した。
(作品協力・出演) ぺっちわぁく さん
ドキュメンタリーでのインタビュー
Q.はじめにカンタンな自己紹介をお願いします。
主に(小田急)ロマンスカーのすれ違いを撮る撮影をしております。
Q.一般的な鉄道撮影との違いを教えてください。
そうですね。まず、撮れないことが多いですね。圧倒的に失敗のカットのほうが多くなるんじゃないかなと思います。例えば(すれ違いを)10回狙ったとしたら、成功1回、多くて2回とか、そんなレベルじゃないかなぁと。
Q.失敗カットの多いなかでも、撮影を続けられる原動力はなんですか。
一般的な編成鉄道写真を撮る人と同じように「撮りたいモノ・撮りたいアングル」があるわけで、撮りたいものがあるからこそ狙い続けるしかないわけです。
すれ違いを狙い始めたのは、ロマンスカー「LSE」がきっかけなんです。「この辺りで並ぶ」ということはわかっていたんですけども、半年間狙い続けて1本たりとも撮れなかったときがありまして、やっと1本撮れた時には嬉しくなりました。そういう経験があったからこそ、今も続けていられるのかなと思います。
Q.撮影に使うツールを教えてください。
(列車の位置を知るために)小田急のアプリなどを有効活用しています。すれ違いは10秒の遅れで場所が狂ってしまうので、見極める必要があるからです。"何分"じゃだめですね、「何分"何秒"にどこの駅を通るか…」とかそういうのを見極めながら、撮影する場所を決めるかたちになります。
去年の5月にCanon EOS 90Dを導入しました。それまでのEOS X6iというカメラと比べて、格段に画質が上がったので、いいカメラを買えたと思っています。90Dをしばらくキットレンズで運用したのち、8月ごろにEF70-300mm(Lレンズ)を購入しました。やはりレンズによって写りは変わりますね。
Q.すれ違い撮影の、流れを教えてください。
だいたい通過10分前から列車が遅れているかどうかを見極めます。通過5分前には場所を決めないといけないので、それまでに移動をしたりカメラの設定をしたりします。10分前から場所を決められることはめったにないので、大慌てな撮影ですよね(笑)。
Q.まるでアスリートのように過酷ですね。
たしかにそうですね。鉄道撮影はアスリートとかプロフェッショナルとか、そういったものに近いと思います。
編成写真では、光線の向きや構図をいろいろ計算したうえで撮影します。すれ違い撮影でいえば「秒単位の読み」なんて、写真始めたての人にはわからないことだと思います。そういうのを極めたという面では、アスリートのようだと言えると思います。
Q.普段から誰のために動画を作っていますか。
やはり自分の記録のためでもありますよね。
観る人が「おぉ」ってなるような動画が出せるんだったら、それでいいかなくらいの感覚です。風景写真や編成写真と違って、「すれ違い」は(魅力や難しさが)分からない人には分からないジャンルだと思うので……。
(すれ違いを撮っている)仲間はたくさんいます。私よりもガチで取り組んでいるような人もいて、時間さえあれば撮っているんじゃないかと思います。そういう人は撮れる枚数が桁違いに多くて尊敬しております。
Q.思い入れのあるロマンスカー車両を教えてください。
やはり数年間追いかけつづけて、つい先日引退したロマンスカー「VSE」ですね。VSEに関しては、難易度MAXじゃないですかね(笑)、並びが撮れたら奇跡くらいなので。
なぜだか分からないんですけど、通勤電車や他のロマンスカーどうしの並びと違い、VSEになると格段に難易度が跳ね上がって。急に撮れなくなります。本当に撮れなくなります。
(インタビュー・撮影:Kotetu、EIZOGAK)
制作後記
ご視聴ありがとうございます。
テレビで放送される作品を見慣れている人にとっては、「ドキュメンタリー = 30分以上の長編」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には短編ドキュメンタリーも世の中にたくさんあります。カメラメーカーの企業CMや新製品紹介も立派な短編ドキュメンタリーといえるでしょう。
ドキュメンタリー映像には「社会の一面をアーカイブできる」というメリットがあります。見てもらえるかどうかは別として、少なくとも「その時代にそういうことをする人がいた」という記録を、見やすいデータで残すことができるのです。
世の中には、驚くほどニッチな領域に情熱を注いでいるクリエイターさんがたくさんいらっしゃいます。ゆっくり映像学区のメディアを駆使することで、そういった領域の魅力に少しでもスポットライトを当てられるのではと考えています。
撮影にあたって、Vlog(写真旅)とは違った知見を得ることができました。
FUJIFILMのミラーレス一眼「X-T3」は、今回の制作でも活躍しています。超広角レンズ「XF10-24mmF4」との組み合わせは、やはりラン-アンド-ガン撮影と相性がいいですね。ジンバルを運用する暇はなかったのですべて手持ちで撮影しましたが、レンズ内手ぶれ補正が適度にブレを抑えてくれました。
インタビューでは、収録に「RØDE Wireless GO II 」というマイクを使用しています。ワイヤレス通信で音声を伝送できるスグレモノで、ワンオペでの映像制作に便利です。
過去に私は、外部マイクの挿しが甘くて音声収録を失敗したことがあります。そこで今回面倒ではあるものの、X-T3にヘッドホンをつないでモニターすることで、収録失敗のないよう対策しました。モニターしている時の感触は悪くなかったものの、マイクのデフォルトのゲインが大きいせいか、インタビューの音割れが目立ってしまいました。反省が残ります。
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Q. 映像制作を勉強したが、いざ自分で何かしら作ろうとすると、いい企画が思いつかない。映像を編集するところまで行き着くことができない。どうすればいいでしょうか?
…と、質問を頂きました。どうやら「技術を生かす場面がない」という悩みを抱えている視聴者さんは多いようです。たしかに、いざ「動画を作れ」と言われても、まずは「作る動画」が必要ですよね。
差別化は、動画づくりの動機になる
うまいチュートリアルやお話を、誰もまだ(日本語で)動画化できていない分野が必ずあります。それを頑張って見つけていただきたいです。誰もできていない以上、動画を作るのは自分しかいないのですから、制作のモチベーションになります。
……と、企画のハードルを上げ続けていますが。
ぶっちゃけた話、たった5人くらいにしか役に立たない(見てもらえない)企画でも、実行する価値は十分にあると思いますよ。たしかにビジネスで言えばこれは破綻はしていますが、最初からビジネスでやろうとするほうがよっぽど過酷な道のりです。
最初はあまり伸ばすことを考えるべきではないと思います。それよりも、とにかくニッチな分野・ニッチな組み合わせを切り開くことで、クリエイターとしての社会貢献を優先していただきたいです。そのほうが気がラクになります。投稿者になるのであれば「YouTubeをもっと情報豊かにしなきゃ」くらいの意気込みで。
他のクリエイターがやっていることを少しだけアレンジしてみましょう。例えば優れたデザインを武器に、界隈に殴り込んでいくだけでも十分に差別化ですし、きっと誰かは楽しんでくれるはずです。
実際ゆっくりゲーム実況で、そういうビジュアル面(ガワ)を鍛えることで人気を得ている人だって大勢います。企画自体の新規性は、必須条件ではなさそうです。
たしかに新規性を考えるのはとても正しいです。でもそのアプローチはまるっきり新しいものじゃなくてもいい。万人が楽しめるコンテンツじゃなくてもいい。そして沼のように深いコンテンツでもいい。作る側も観る側も楽しめるからです。
写真旅シリーズでは、北海道の除雪列車「ラッセル」を取り上げたり、米軍基地を訪れたりしました。これらはどう見ても万人受けしませんが、それでも普段コメントしてくれる人が詳説を加えてくれたり、新しい魅力に気づいたりしてくれました。誰かが楽しんでくれるのならば、それだけで十分に動画を作る意義はあります。
“自宅のインターネットが5G回線に対応した。ついでにPCの端子も5G対応にしておいた”
家族から突然そう聞かされたので、試しにスピードテストしてみて驚いた。上下ともに2200Mbps近い値が出ている。これをやや自慢げにツイートしたところ、思いのほかバズって「逸般家庭だ」とか「誤家庭だ」といった褒め言葉がついた。
家庭で2200Mbpsという数字は、快適を通り越して「おかしい」の域といえる。どんなに高くても100Mbpsもあれば、Web閲覧からFPSゲームまで困ることはないからだ。何を目的に通常の22倍もの回線速度を使うのか疑問になってくる。
どうしてこんなオーバーなスペックが生まれたのか経緯を説明したい。別に私自身は光回線に重課金しているわけでも、速度マニアでもない。ただ家族の中にネットワーク周りが詳しい人物がおり、しばしば自宅ではハイスペックな環境を使った色々な実験が行われているのである。今回の5G開通もその一環だろう。
そもそもネット周りに限らず、我が家には一般的ではない光景が広がっている。
本棚の上には「ラズベリーパイ」という、交通系ICカードくらいのサイズのコンピューターがずらりと列を成していろいろな実験をしている。各部屋でもラズパイが気温と気圧*を測定し、データを記録し続けている。家からWi-FiのIDが5個出ていたこともあるし、AIがラズパイのカメラを使ってリビングのモノを画像認識していたこともある。現在の映像制作で使っているグラフィックボードは、もともと仮想通貨のマイニングに従事していた。
*トンガ火山噴火の際には、衝撃波による気圧変化が鮮明に記録されていた。
「5G回線になってなにか良いことがあったのか」と尋ねられたら、正直今は答えに困ってしまう。YouTubeで8K60p動画をやり取りしようにもマシンスペックが追い付いていないし、サーバー運営をしようにも面白い企画がなかなか浮かばない。
もちろん5Gのメリットが全くないわけじゃない。例えば、映像制作をチームで進めているときには数百GBにおよぶ膨大なファイルをやり取りするが、これまでよりダウンロードが速くなっている気がする(もちろんファイル共有サービス側の速度に左右される)。迅速に作業に取り掛かれてハッピーになれる。
ただまぁ少なくとも今はまだ、5Gによって大きな変化を肌で感じる機会はない。
たぶん、今すぐに目的を見出そうと焦る必要はないんだと思う。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、8K・12K(写真並みの解像度をもつ動画)が将来発展したら、きっと5Gは当たり前になっているはず。むしろ当たり前になっていないとおかしい。現在のVRの解像度はせいぜい4Kくらいなので、「もっとリアルなVRChatが楽しめるようになる」と思うとワクワクする。まだ社会は5G回線を使いきれていないだけだ。
【悲報】我が家、一般家庭ではなかった pic.twitter.com/y572JunH8Q — 雪原てとら (@setsugen_tetra) September 3, 2022
ありがたいことに、WEBサイト上で映像学区を紹介していただけることがあります。とても嬉しいしモチベーションが上がるので本記事にまとめました。うp主がURLを忘れてしまったものもあるため、漏れていたらすみません。
ページの都合紹介しきれないので残念ながら省いていますが、TwitterやInstagramで日頃より寄せていただいている映像学区への感想には本当に感謝しています。たとえば「この動画のここすき」と1つツイートしていただけるだけで、私のやる気は何倍にもなります。みなさんのオープンな感想こそ、ゆっくり映像学区の真の原動力なのです。いつもありがとうございます。
(※随時更新)
TAMRONさんの『17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD』
https://www.tamron.jp/product/lenses/b070.html
Xマウント版のレンズが登場した際に、外部レビューをさせていただきました。貴重な機会をありがとうございます。手ぶれ補正の効くF2.8レンズで使いやすかったです。興味がある方はぜひレンタル等でも触ってみることをおすすめします。
YouTube Japan 公式チャンネルさんの『動画編集の世界』
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQntWbrycbJfRC0PaLAGvNz5rAhOnCuq6
YouTube Japan の公式チャンネルが作成している再生リスト『動画編集の世界』にて、ゆっくり映像学区の「あるあるな図形」回を紹介していただきました。フィーチャーしていただきありがとうございます。
ePiさんのScrapbox
https://scrapbox.io/ePi5131/AviUtl%E3%81%AE%E8%AC%9B%E5%BA%A7%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F
ゆっくり映像学区の動画に対して、しっかりした批評を書いていただきました。ありがとうございます。とくに「データ管理」回の中間生成ファイルフォルダ(mv_precom)への言及については、なるほどなぁ~と思いました。
昔は1つの映像に膨大な素材を入れることも多かったため、「mv_dataにはよく使う素材だけを」「mv_projectにはプロジェクトファイルだけを」「mv_precomには一時的な素材やファイルだけを」「mv_worksには完成品だけを」と分けていく意識がありました。しかし最近では素材数が落ち着いていることもあって、mv_precomを無視したうえで、全データをprojectに詰め込むことが多くなっています。そろそろmv_precomは廃止にしてもいいかもしれません。
LejeさんのScrapbox
https://scrapbox.io/leje-campus/%E6%98%A0%E5%83%8F%E3%81%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E9%87%8F%E3%81%A8%E7%94%BB%E9%9D%A2%E6%A7%8B%E6%88%90
「くだらねぇ情報」の動画をご紹介いただきました。ありがとうございます。アニメーションにおける情報量の増やし方について、丁寧に解説されている記事です。同サイトの記事は、図形の取り扱いについてたいへん勉強になります。
九段さんのScrapbox
https://scrapbox.io/Kudan555/%E5%8B%95%E7%94%BB%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%AE%E5%8F%82%E8%80%83%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E9%9B%86
『動画編集の参考になるリンク』より。"省力編集"としてチャンネルが紹介されています。ありがとうございます。
虹色研究所さん
https://rese-area.hatenablog.com/entry/Edit
映像学区の喋りがおもしろいとのことです。ありがとうございます。
竹達アーカイブ通信さん
https://taket-a.hateblo.jp/entry/davinciresolve-color
Resolveを使った色調補正に関連して紹介されました。ありがとうございます。
RTAGamersさん
https://rtagamers.com/etc/post-12571/#toc7
"新しくAviUtlを使い始める人に有用"なサイトとして紹介されました。ありがとうございます。
「70-200mm F2.8」という望遠ズームレンズがある。
私もこれに近い「50-140mmF2.8」というレンズをしばらく使ってきたので、この利便性と汎用性がよく分かる。じっさい、F2.8ズームレンズは報道写真から動物写真、鉄道写真に至るまで幅広いジャンルで使われている。いちいち「70-200mm……」と呼ぶのはかったるいので、周りの人たち(特に鉄道写真界隈の皆さん)はたいてい「ナナニッパ」で通じている。同じ感覚で「400mmF2.8」は「ヨンニッパ」と呼ばれているし、「500mmF4」は「ゴーヨン」と呼ばれている。
あるプロカメラマンのおじさんは「ヨンニッパ」や「ゴーヨン」を超望遠単焦点レンズには積極的に使う一方で、「ナナニッパ」だけはどうも納得いかないようだ。曰く、700mmF2.8なんてレンズはないし、「ナナニッパ」なんて略称が広まると現場の伝達ミスに直結するとのこと。へ~。
たぶんこれらのどうでもいい言及への反応は、反論じゃないほうがいい。「へ~」くらいのほうがいい。
これぞ典型的な本当にどーでもいいことである。今の時代どうでもいい論争を生み出すことで、お手軽に注目を集めることができる。誰がどう言おうと、少なくとも私たちの間では「ナナニッパ」で通じるし、「ナナニッパ」と叫んだところで誰にも迷惑*をかけることはない。これからも映像学区のゆっくりボイスは遠慮なく、70-200mmF2.8を「ナナニッパ」と変換していくだろう。映像学区をきっかけにカメラを始めたみなさんも、ぜひ親しみを込めて「ナナニッパ」の愛称を叫んでほしい。
*撮り鉄界隈には「ゲバ(三脚のこと)」といった、公衆で叫ぶには少々物騒なワードもあるので油断ならない。
「有線イヤホンは厄介な奴を見分ける踏み絵になる」 - ちょっと前にもYouTuber兼ブロガーによるこんな発言があって騒ぎになった。本当に笑っちゃうほどどうでもいいことである。みんな好きにすればいいというだけのことだ。ちなみに私は無線イヤホンをしょっちゅう失くしたので有線派。ゆっくり映像学区は厄介な人が作っているので気を付けよう。
一眼レフ撮影だろうがスマホ撮影だろうが、有線だろうが無線だろうが、iPhoneを使っていようがAndroidを使っていようが、WindowsだろうがMacだろうが、スマホ編集のモーションだろうがPC編集のモーションだろうが、すべて「場面によって使い分ければええやん」という言葉で解決する。それ以上の答えなどないのに、どういうわけか無駄に論争を起こしたがる。(ただしうっかり場違いなコミュニティに入ってしまって迷惑をかけたなら、ちょっと話は違うかもしれない)
創作に大切なことはそんなに多くない。アウトプットと迷惑をかけないことだけだ。その割に、この世界はどーでもいい争いで溢れている。