レタッチに対する私見を紹介する理由
カメラや写真を勉強していると、いつかは「レタッチ」とか「RAW現像」といった言葉に出会います。これは、撮影した画像データの色をいじる作業のことです。インスタグラムやブログで見るようなおしゃれな写真は、たいていカメラから吐き出された画像に対して、ひと手間レタッチを加えて投稿されています。
「じゃあ我々もいっちょレタッチを学んでみるか」となるわけですが、いざ挑戦してみるとパラメータが多くて迷ったり、盛り盛りにレタッチした写真がネットで叩かれるのを見かけたりして、一体レタッチで何を目指せばいいのか分からない状況になりがちです。つい先日も、池の透明度を盛りまくった写真がSNSで炎上したばかりです。
そこで今回は、普段から写真旅動画を制作している映像学区なりの、レタッチに対する考え方をお話ししたいです。
私たちは写真で万バズを狙ったり、仕事をしたりしているわけではありませんので、レタッチに対して大雑把な部分もあろうと思われます。しかしこのテキトーさをあえて発信したいのです。なぜなら、写真を楽しむ人全員がそんなにレタッチガチ勢というわけではなく、むしろそういった場合の関心事は「完璧なレタッチ」よりも、「これくらい雑でも綺麗なのでOK」とか「こうすれば炎上は回避できる」のようなカジュアルな内容であるからです。
なお、本動画ではAdobe Lightroom Classic CCを使用しますが、同ソフトを使っていない方でもお楽しみいただける内容となっています。無料でRAW現像を行う手段として、Lightroomのモバイル版やRawTherapeeといった選択肢があります。
Liitというアプリを使って、過去の写真にフレームを付けてみました。正直スマホのアプリは、1つの機能に特化したものがバラバラに存在しているイメージがあって、あんまり使ったことがありませんでした。
Liitが優れているポイントは、単にフレームを付けられるだけでなく、レタッチからEXIFのカスタマイズまで幅広く何でもできるという点です。そのデザインも非常に堅実。余白・揃えのような基本に忠実です。基本に忠実だからこそ、いろいろとEXIFが変わっても対応できるのかもしれません。
現在はロゴ問題で色々とユーザーに詰められているLiitですが、このデザインの良さには一見の価値があると思ったので、ゆっくり映像学区の動画でも取り上げたいところです。
以下はLiitのスクリーンショットです。UIは基本的にわかりやすく、個人的にはLightroomのiOS版より扱いやすいと感じます。1つだけ微妙なところを挙げるとすれば、フレームの白黒反転のボタンがわかりにくいです。初見で「スタイル」の右側にある黒のボタンに気づけなかったのは、はたして私だけでしょうか(笑)
紹介されたら、よろこんで見に行きます
「ゆっくり映像学区のことをぜひ自身のチャンネルで紹介させてほしい。なにか守るべきことがあれば教えてほしい」との声をよくいただきますので、この記事でアドバイスをまとめておくことにします。
基本的に映像学区を引用する際に、許可は不要です(もちろんDMで許可を求めてもOKです)。
みなさんの動画やWEBサイト等で映像学区のことに触れていただけた際には、たいへん嬉しいので見に行きます。また、「映像学区の〇〇なところがおすすめ」というような具体的なメッセージがあるとさらに喜びます。
スクリーンショットの利用について
ゆっくり映像学区ではスクショを用いた紹介を歓迎しております。
「映像学区」系再生リストに入っている動画であれば、ご自由にスクリーンショットをお撮りいただけます。そのほか、チャンネルページ・当ブログのスクショも紹介用途でご利用いただけます。さらに、動画で使った写真の元データを提供できる場合があります。必要でしたらDMやメールでご連絡ください。
引用時には、以下の条件をお守りください(将来変更される可能性があります)。
・スポンサーロゴ部分のスクショ引用はお控えください。
・引用した素材の音はミュートにしてください。
・読み上げるなり、字幕入れるなり、概要欄に書くなりして、「映像学区」からの引用であることを明記してください。
・紹介でなにか不利益が生じても責任は負えません。
・その他、良識の範囲で引用をお願いします。
もし分からないことがあれば、どうぞ遠慮なくメールやDMを送ってください。
今年も半分が終わっていよいよ夏がやってきました。どれくらいの写真旅ができるか分かりませんが、夏休みに一度くらいはどこかへ遠出したいですね。それにしても暑い季節です。日傘が手放せません。
4月から6月にかけてアップした動画は3本。アニメーションの「動き」について語るシリーズや、超広角レンズ「TAMRON 11-20mm F2.8」の発売前レビューをお送りしました。これからも引き続き、新しさを求めて、映像やデザインに関する原稿を書いていきます。どうぞよろしくお願いします。
実はこの春は、ネットの活動以外にも色々なことをしました。ある防災イベントで放映された4Kドキュメンタリーのディレクションやポスプロを手伝ったり、知り合いのAviUtl導入を手伝ったり、プレゼンデザインの個人指導をしたり。どれも楽しかったです。
こういったリアルでの活動を経て、最近私は「教育っぽいことが好きなのかもしれない」と思うようになりました。
ゆっくり映像学区のTwitterに昔から残している言葉があります。「つよつよではないけれど、ほどほどに映像制作」というフレーズです。センスがあり第一線に君臨する、そんなガチの映像づくりは無理かもしれない。でもほどほどに良い映像くらいなら誰だって作れるはずだ。ならばそのための知恵は、もっとちゃんと共有されるべきだ。そんな意味を込めています。
今の世の中、だいたい20~50万円くらい出せば、そこそこの映像を依頼できます。しかし、どんなに大きな企業でもその20万円を出せないような場面って、世の中にたくさんあります。個人や有志ならなおさら荷が重い額でしょう。
たしかに需要と供給が合わないとき、切り捨てられるのが論理です。でもそういったワンシーンを飾るのって、そんなに難しいことではなかったりします。(結婚式フォトのような熟練の技を要する場面は別ですが💦)もし皆さんが身近で、本来は映像にすらならなかったような思い出を、デザイン良く作品として残せたなら、すごくエキサイティングなことではありませんか。きっとたくさんの人が喜ぶでしょうし、思い出の価値は爆上がりすることでしょう。
そういった、こぼれ落ちそうなシーンをすくえる人を増やすのが、ゆっくり映像学区の夢です。
みなさんこんにちは。映像学区です。ときどき動画を出すゆっくりボイスのチャンネルです。
昔からたまにコメントを頂くのですが、「音が気持ちよくヒーリングになるから、睡眠用に映像学区を聴いている」という視聴者さんが複数いらっしゃるようです。うp主にとっては想定外の視聴スタイルですが、まぁ動画の楽しみ方は人それぞれなので、好きに観てもらえると嬉しいです。
さて、そんな映像学区が使っている楽曲(BGM)リストを、久しぶりに更新しました。主に『ゆっくり写真旅シリーズ』で使用した楽曲を追加しています。年次契約の著作権フリー楽曲サイトを使い始めてから、「わざわざ課金してまでBGMを再現しようとする人もいないだろう」と更新をサボっていたのですが、コメントやDMでかなりの数のお問い合わせをいただいたので、このたび更新の運びとなりました。どうぞ参考にご利用ください。
https://docs.google.com/document/d/1HJSfEm2UHLCOYN_yYYoV6iLsy7wLaphIsqmM9_Ag-kE/edit?usp=sharing
これまでの映像学区では、「動画を作るためにデザインを学ぼう」の精神で様々な知識を勉強してきました。余白・揃え・サイズ感・画像もろもろ……。どれも不思議なほど動画編集に役立ちます。
しかし、これらはあくまで静止画(止まった状態)のデザインの知識です。動画編集の中でもアニメーション制作をやろうとすると、「動き」に関する知識も必要になってきます。
この特集では、これまでやってこなかった「動きのコツ」について、3~4本の動画でお話しします。視聴者の皆さんには、ドキュメンタリー番組の資料くらいのシンプルなアニメーションを、なるべく理論的に作れるようになっていただきます。
01.アニメーションの「ずらし」
内容:ずらし登場・視差効果
「静止画のデザイン」では、とにかくガチガチに揃えることを意識してきました。一方で「動きのデザイン」では、多少ずらしたほうがカッコよく見えるケースが多々あります。アニメーションにおける「ずらし」についてお話しします。
02.フェードを学びなおす
内容:トランジション基礎・フェード
アニメーションで重要になるのが、画面の切り替え(トランジション)です。この動画では、トランジションについて基礎から勉強します。特に、最もシンプルなエフェクトの1つである「フェード」に注目します。近年の映像の流行りはいわゆる「ぶつ切り」なのですが、あえて逆張りしてフェードに触れましょう。そこにはまだまだ可能性が隠れています。
03.鋭意制作中!
映像学区のメインカメラである、FUJIFILM X-T3。写真旅に出るときには、超広角から超望遠まで色々なレンズを着け外ししていますが、ふだん自宅に保管している時には、たいていXF35mmF1.4をつけています。このレンズはとにかく軽く、しかも換算50mmの画角が手元を写すのに使いやすいからです。詳しいことは、以前書いたエッセイ記事で語っています。
→ https://eizo-gak.com/xf35mm-f1-4-2021rev/
このレンズの不思議なところは、生活感のある空間を移してもそれっぽい画に仕上がることです。ドキュメンタリー的というか何というか。写実的すぎない、ほどほどにリアルでほどほどに美しい作品を、片手で撮れるという良さがあります。
今回はフィルムシミュレーション「Velvia」を使って、彩り豊かな食卓を切り取ることにしましょう。構図を決めるのに夢中で火をかけつづけていたら、ついうっかり親子丼を焦がしそうになりました。
こんにちは。映像学区です。
当サイトの「Q&A」でも紹介していますが、ときどきTwitter DMを通じて、視聴者のみなさんから質問・感想・応援が寄せられます。こういったメッセージ1つ1つが、私のモチベーションになっております。誠に嬉しい限りです。
ところが先日、「Twitterの未フォローユーザー間でメッセージを送れなくなった」とのニュースを聞きました。
これではみなさんが気軽にメッセージを送ることができなくなってしまいます。とくに私は、皆さん1人1人のツイートをじっくり読みたいあまり、フォローバックに時間をかけているため致命的です。
でもご心配には及びません。
実は映像学区には、連絡用メールアドレスが存在します。
私のメールアドレスはこれまで、主にビジネスの連絡をされる方向けに、YouTubeのチャンネルにてこっそり掲示していました。気づかなかった人もたくさんいたようです。
このメールには、Twitter DMと同様、気軽なノリでメッセージをお送りいただいてかまいません。ビジネスのご連絡に限らず、映像面の質問・映像以外の質問・動画の感想・応援・自己紹介・人生相談など、なんでもお待ちしております。
ビジネスメールのお作法は、無理に守らなくて大丈夫です!「こんにちは+活動時のお名前+内容」くらい揃っていれば読みます。すぐに返信できるか分かりませんが、届いたものはすべて目を通します。(Twitter DMのようなリアクション機能がないので、内容によってはうまく返信できない可能性もあります。一応読んでいるので許してくださいね。)
独自ルール:⓪どうぞお気軽に ①あんまり連投しないで ②常識の範囲内で ③件名ごとにツリー保ってくれると嬉しい
「TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)」は、Xマウント版が2023年に発売されたばかりの真新しい超広角レンズです。今回TAMRONさんのご協力により、このレンズを発売前にお借りしてレビュー動画を制作しました。
舞台は東京・御岳山。JR青梅線に乗っていけば、あっという間に最寄りの御嶽駅に到着です。都心からほど近いこの山はいわば「第二の高尾山」みたいな存在で、手軽に登山を楽しむことができます。ケーブルカーに乗ってショートカットも可能です。ただしそれでは撮れ高がなくなってしまうので、今回は自分の足で登りました。
1本目のレンズに広角を選んだっていい
この動画の趣旨は「レンズレビューを超えて、広角の魅力を知ってもらう」という点にあります。
これは私の偏見ですが、カメラ初心者で1本目のレンズに広角を選ぶ人って、そうそういないと思うんですよ。普通は便利ズームや標準単焦点をチョイスします。その理由はコスト面かもしれませんし、あるいは望遠を捨てるということへの恐怖かもしれません。
ところが、上下の狭い16:9で動画を撮る現代、自分が見たままの風景を伝えるには、意外にも10mm台の超広角レンズがないと苦労します。映画のように構図をがっちり決められればいいのですが、とくに写真旅の場合はそうもいきません。
想定外の被写体と出会うのがある種の「旅の醍醐味」です。しかしいつもレンズ交換できるとは限りません。そんな時、望遠不足よりも広角不足となったときのほうが事態は深刻です。映像の構図をデザインする上で、余白がカツカツだったり、被写体が切れたりするのはあまり美しくありません。
これまでそうした場面でXF10-24mm F4に数多く救われてきましたし、今回もTAMRON 11-20mm F2.8に本当に救われました。とにかくレンズ1本で満足に撮れてしまうのが、広角の最大の魅力です。
目の前を伝える画角
昔からカメラは多種多様な記録に使われてきました。その中には「報道(ルポルタージュ)」という大事な用途があります。現在でも一部のメーカーに「Reporter」とか「News Shooter」のような名前がつく撮影機材が残っています。たいていそういう名前は「どこにでも持ち込めて、何も撮り逃さない」みたいな意味で使われているようです。
広角ズームというレンジは、さっとカメラを構えて目の前の光景を伝えられるという意味で、まさにこの「News Shooter」的な画角といえるようにも思います。狭い登山道で11mmを使えば、良い光景をほぼ漏らすことなく映像素材にすることができる。そして20mmまでズームすれば、手元のかわいらしい被写体に寄っていくこともできる。
超広角というとなんだかトリッキーに感じるかもしれませんが、写真旅で出会った被写体に、一番向き合える画角です。
ギャラリー
写真はすべてFUJIFILM X-T3で撮影し、撮って出し(ノーレタッチ)で掲載しています。
構図探しが楽しくて、つい広角端ばかり使ってしまう映像学区です💦