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【東京・城南島】90年代のKITレンズで航空機を眺める|EF 35-80mm F4-5.6 + FUJIFILM X-T3
オンボロレンズで巡る、港湾地区。 私は横浜で育ったこともあって、よく横浜港の近くをお散歩してきました。おしゃれな豪華客船を迎え入れる横浜港も楽しいですが、"オタク心"をくすぐるのは、膨大な物流を処理するコンテナターミナルを中心とした"ガチ"の港湾地区のほうです。似たような景色は東京都の大井ふ頭周辺でも味わうことができます。 京急の平和島駅を降りて、東京モノレールを超えて、首都高速道路を超えて、脚がくたびれるほど歩きます。 コンテナシャーシのメカメカしさにはちょっと惚れます。あんな薄い台車に統一規格の40フィートコンテナががっちり固定されて、都道を疾走していくのです。ここではそのシャーシだけがうず高く積み上げられています。 パワーのあるトレーラーと、無動力のシャーシが別々に管理される光景をよく見ます。シャーシはコンテナやトレーラーと何回もくっついたり離れたりを繰り返すため走行距離や現在位置を追跡しにくいようで、管理のための技術開発がまだまだ進展しそうですね。 わぁ……かっこいい。 港湾地区の面白さの一つが、その独特な雰囲気や文化でしょう。たとえばこちらのPORT STORE。見た目は明らかにコンビニチェーンのファミリーマートですが、店舗表記が異なっています。これは「東京港福利厚生協会」という非営利団体が合弁店舗のかたちで出店している都合で、「FamilyMart」のロゴを使えないのが理由です。大人の事情にあふれています。 倉庫に囲まれたJRの線路を橋でまたぎました。この線路は人々の居住エリアからは離れた場所を経由する、JRの貨物線です。現在は至るところに緑が茂っていますが、鉄道輸送の全盛期にはひたすら線路が張り巡らされていたのでしょうか。 港湾地区というと無機質なコンクリートジャングルを想像されるかもしれません。しかし実際には緑もあります。ただし整備が行き届かないために雑草生え放題の道もあり、"キレイ"とはお世辞にも言えない緑が目立ちます。 港湾地区はまず徒歩が前提とされていないと感じます(まぁそりゃ当たり前ですが)。作業車やトレーラーがいかに滞りなく通過できるかを第一に道路が設計されているので、徒歩通行にはそこそこ注意が必要です。路駐も多いうえに、大型車の巻き上げる粉じんを時折浴びます。歩きで行くよりはバスで通るような道です。港湾を歩く雰囲気はキライじゃないけど、万人にはおすすめしません。 倉庫に出勤していく作業員とよくすれ違います。私は倉庫で2回バイトをしたことがありますが、なかなかの激務で2回とも派手に体調を崩しました。日本を支える物流関係者には本当に頭が上がりません。 工業地帯に隠れる海浜公園 羽田空港から運河をはさんで北側にあるのが城南島です。滑走路を展望することができるため、航空機の撮影ポイントとして有名。じりじりした蒸し暑さと強い日差しを浴びている城南島海浜公園にやってきました。ここが今日のゴールです。 だ~れもいない……。 滑走路と、航空機誘導用のアンテナや照明を望むことができます。 この城南島では、うまく航空機が通過するための気象条件があります。運よく「B滑走路が南風運用」という条件をクリアしたようで、たくさんの機体が真上を通過してくれました。 コロナ禍で飛行機が少ない夏ですが退屈しなかったです。とはいえ東京五輪がたくさんの外国人観光客を集めていれば、さらに楽しかったにちがいありません。 今回すべての写真をEF 35-80mm F4-5.6で撮影しています。このレンズは、Canonが1990年代に発売したエントリー向けのフィルム一眼レフカメラシリーズ「kiss」の北米版「EOS rebel G」のキットレンズです。かなりのキワモノレンズですが、なぜか我が家の納戸に20年以上眠っていた個体があり、現在でもときどき使用しています。機会があれば、その詳細を別の記事にします。 撮影当時はXマウントの望遠レンズを所有しておらず、SIGMA 18-35mm または Canon EF35-80mmという究極のレンズ選びを強いられました。結局後者をチョイスしたわけですが、これは正解でした。 APS-Cの80mmでも写真としてはギリギリ成立しますね。本来はEF70-200mmF2.8だったり、EF400mmF2.8のような望遠を持ってくるべき場所でしょう。航空機写真オタクは、あの重い70-200mmを「標準レンズね」と平気な顔で言うので恐ろしいです。 遊泳はできない場所でした。この雑多な感じの海岸がとてもいいんです。ASTIAのフィルムシミュレーションを組み合わせると、まるで遠い昔の記憶のように写し取ることができます。入道雲のした、80年代や90年代のシティポップでも流したい気分です。
雨降りの美しい東京・明治神宮を、単焦点レンズでめぐる
東京の大学に通っている私は、昼に授業が終わる日があると東京を散策することにしています。平日は休日に比べて人通りも少なく優雅な気分でいられるからです。今日は東京都心が抱える深緑の空間、明治神宮を訪れることにしました。 午後から雨が降る、秋の東京。さてどんな風景が待っているでしょうか。 傘に隠れて神宮参り しとしとと降る雨が足元を冷やしていきます。左手に傘、右手にカメラ、そして肩にGoProというスタイルだと手元が忙しくなりますね。ミラーレスカメラの最大の利点はファインダーを覗かなくていいことです。こんな空模様の日にはいちいちファインダーを覗いていると手元が疲れてしまいます。そして軽量コンパクトなのもまたOK。片手で1時間ほど振り回しても疲れない装備は、レイニーストリートスナップの前提条件です。 湿気をおびる砂利の参道が音を立てています。参道には側溝のようなものがありました。雨の日には本殿周辺から境内外側に向かって雨水が流れていくようです。明治神宮は水はけに気を使っている模様。秋も中盤にさしかかると、色づいた枯れ葉がはかなく積もっていきます。 換算85mm単焦点レンズの魅力 今回はXF56mmF1.2、単焦点レンズ1本縛りのストリートスナップです。これまでの所有レンズはすべてズームレンズだったので、「単焦点レンズって描写いいけど不便そうだなぁ」という思いがありました。しかしそれは間違いでした。 美しいショットをズームレンズで得ようとすると、レンズのサイズは重く巨大になります。その例がSIGMA 18-35mm F1.8でしょう(もちろんあれは動画に使うには便利なのですが)。一方、XF56mmF1.4のようなハイエンド単焦点レンズを使えば、すごく軽快なフットワークでこの写りに出会える。撮影の回数が増えて「いい写真が増えるな」と感じました。 こちらは、蜘蛛の巣に露がかかる灯籠です。 なんてふんわりしているのでしょう。語彙力のない私は、このメリハリのある描写を「空気感を写すようだ」と表現することにしています。まるで雪が積もるようにしっとりした、けれど鋭く冷たい雨粒を切り取ります。 参道をしばらくいくと、明治神宮に奉納された酒樽が並んでいます。『鬼ころし』のような有名な日本酒の名前もありました。どの樽もデザインに彩があって楽しいです。向かい側にはワイン樽も整然と奉納されています。 コントラストあふれる境内 都市の風景なのに誰もいない。そんな世界観をみると、はっとさせられます。それは音を排除した写真だとより強調されるでしょう。この閑散とした境内も年末年始の時期は参拝客でいっぱいになります。いつもの明治神宮からは、ちょっと想像できない風景です。 明治神宮の警備のことを神宮衛士というそうです。政教分離の現在ではもちろん公務員ではない警備員ですが、その風格は昔から変わらないようです。七五三の準備をする巫女さんが足早に通り過ぎていきました。
「ASTIA」で記憶にのこす夏の潮風、三崎・城ヶ島|FUJIFILM X-T3
首都圏の静かな漁港へ 今回の旅では、神奈川県の三浦・三崎港をめぐります。 映像学区が三浦半島にやってきたのは2回目です。かつての動画でペリー来航の地、浦賀をめぐりました。三浦半島といってもその表情は地域によって様々です。それは、狭い道路が山間を這う内陸部・東京湾を望む海岸部、のような単純なちがいではないと思います。浦賀・三崎・逗子、いずれも三浦半島の有名な海岸ですがどれも異なるおもしろさがあります。 三崎港は三浦半島の南の果てにある漁港です。新鮮な魚介をたのしめることは有名で、さきほど乗ってきた京急線には「みさきまぐろきっぷ」という、まぐろを楽しむための乗車券があるほど。でもどうせなら漁港の南に浮かぶ小さな自然島、城ヶ島の風景に足を伸ばしてみませんか? 夏空の城ヶ島大橋をわたる 三浦半島と城ヶ島のあいだには立派な横断橋が架かっています。徒歩でも渡れるので、風の穏やかな日には落ち着いて写真を撮ることができます。天候は恵まれ、一面の青空が広がりました。三浦半島の東と西を同時に眺められるのもここぐらいでしょうか。 城ヶ島大橋は1960年に開通してからずっと通行料が必要でしたが、2020年に無料化されました。二輪車のライダーさんも多いですね。ゆったりした2車線を軽快に通過していきます。 FUJIFILMのブルー・アクアが場を引き立てます。 今回使用したフィルムシミュレーションは「ASTIA」、ソフトな色味ながら彩りのある写真を楽しむことができます。 空気の湿り気とASTIAがここまで完璧にマッチするとは思いませんでした。夏の記憶を残すフィルムシミュレーションなら、これ一択。 1960年に完成した橋とは思えないような、開放的なデザインです。道路表記やらに傷みがあるのが好き。Wikipediaで「城ヶ島」の歴史をみると、令和に入ってからそれこそ「道路無料化」くらいのことしか更新されていません。こんなに移り変わりの少ない景色が首都圏にあるものなんですね。 絶壁の岩場をたどる デジタルデータの写真ならいくらでも視点を変えてあげることができます。穏やかに晴れた海と険しい地形のコントラストがあれば、いつまでファインダーを覗いていても飽きることはありません。 ここはひとつ、人のにぎわいがない世界を切り取ってみようと思いました。海までくだる階段をずっとずっと下りていきましょう。ハードな道があれば絶景が待っていると信じています。 「アブに注意」の看板におびえながらも階段を下りたのは正解でした。ダイナミックな風景が出迎えてくれます。不注意で落ちたら戻ってこられなさそうな崖ばっかりなので、慎重に三脚を立てます。 太平洋の深い蒼色はよく知っていますけれど、陽が当たる岩場の輝きにはなかなか気づきませんでした。まぶしい景色をじっくり楽しんで、写真で持ち帰る。そうすればいろんな発見があるものですね。 安房崎灯台が貨物船の行き交う東京湾を見守っています。以前は現在の安房崎灯台のさらに奥に、三浦大根みたいなカタチをした灯台があったそうです。 夕暮れの海を見下ろす 城ヶ島はアップダウンの激しい島なので、徒歩で楽しんでいるとあっという間に時間が過ぎていきます。お出かけの最後に城ヶ島大橋から夕焼けの西空を見渡すことにしましょう。潮風がすこし肌寒いですが、橋を歩く人はほとんど見かけないのでこの景色をひとり占めできます。にぎわいのある江の島とはまったく違う情景ですが、これはこれで悪くない。 あいにく時間がなくて、城ヶ島の西側をまわることができませんでした。こちらには平たい磯場や神社、城ヶ島灯台があるそうです。機会があればまた訪れたいですね。 港をくるりと避けるようなルートで狭い県道が走っています。 望遠レンズ | XF 50-140mm F2.8 城ヶ島の舞台では、FUJIFILMのフラグシップ望遠ズームレンズ「XF 50-140mm F2.8」を使いました。三脚座のついているような重いレンズははじめてですが、強力な手ぶれ補正のおかげで迷いのない撮影ができました。 X-T3と組み合わせると反応のいいAFを体感できます。ただしFUJINONレンズにしては反応が優秀すぎるので、波しぶきを動画撮影しているとフォーカスが騒がしく前後しました。静かな雰囲気の動画撮影ではMFにすることをおススメします。 10万円台と高価なレンズをチョイスしたきっかけは、フィルター径です。Φ72mmのレンズフィルターが付くので、広角ズームレンズ「XF10-24mm F4」とおなじNDフィルターを使い回すことができます。「無性にレンズを買いたい、でも迷ってしまったわね」という際には、フィルター径でレンズ選びするのもアリですよ。
雨の日本橋は、超広角スナップ向き|FUJIFILM X-T3 + XF10-24MM F4
東京の玄関口を飾る、クラシックとモダン 旅の出発点といえば、今も昔も間違いなくココ。東京の日本橋は江戸時代に街道の起点となって以来、多くの人の旅の出発点である。そのポジションは今も変わらない。わたしたちが「写真と旅」をテーマに動画をはじめるならばここがスタートにふさわしい。 梅雨明けの蒸し暑い11時、ドン曇りの日本橋でカメラを構える。 どこにレンズを向けても歴史と風格を感じる画になるのでよろしい。通りに面するクラシックな建築、上を見上げるとそれに乗っかる形で空に伸びる高層ビル群。東京2020大会の旗が揺れているのもお忘れなく。目と鼻の先の東京駅、それを超えた先には皇居・江戸城が待ち構えている。 タクシーは大都市それぞれの立派なシンボルになると思っている。ニューヨークでは黄色いNV200、ロンドンは丸っこいキャブが迎える。ここ東京ではオリンピック開催に合わせて「JPN TAXI」というスタイルが広まった。東京のタクシーは狭苦しい高級住宅街を潜り抜けても、大都会を駆け抜けてもいい画になる。 無機質な曇り空の下、ピカピカの車体を輝かせながら通過していく。 大型の高速バスが東京駅のほうへ行ったり来たりするのを見ると、あらためてターミナルっぽさを意識する。ここから首都高に乗れば、日本全国どこへだって一直線に向かうことができる。 ビジネスオフィスが並ぶ区画を歩く。ちょうど平日の正午近かったこともあって、首からIDカードをぶら下げた会社員のみなさんとよくすれ違った。六本木やみなとみらいでも見られる都会らしい光景のひとつ。思い思いにチョイスした飲食店に吸い込まれていく。 私も「そろそろお昼に」とカメラをしまっていたところ、雨がパラパラと降ってきた。すぐに「パラパラ」どころではなくゲリラ豪雨になったので雨宿り。三越向かいのスタバは混雑していたので、ひとまず日本橋の首都高速下に逃げ込む。 土砂降りの雨は写真にとってありがたい。独特の粒子感と霞みを楽しむことができるからだ。降るならぜひ中途半端な雨ではなく、ガッツリお願いしたい。 首都高の下だけにいるだけでも様々なストーリーに出会うことができる。いま日本橋に覆いかぶさっている首都高速都心環状線の高架は将来地下化されるそうだ。日本橋に青空をよみがえらせる、そんな壮大なプロジェクトの予定期間は約40年。青空の日本橋を観たい気持ちもあるが、きっと40年後には「高架も戦後らしくてよかったわね」と懐かしくなるに違いない。 雨上がりを這う 雨上がりのストリートスナップで忘れちゃいけない表現テクニックが「リフレクション・ショット」だ。揺らぎの収まった水たまりは、街並みを幻想的に反射してくれる。ヘッドライトやお店の光源があるとうれしい。 潤いのある金属・植木はとってもきれい。 XF10-24mmF4 R OISで撮影 撮影で主に使用したのは、FUJIFILMのミラーレス一眼「X-T3 + XF10-24mmF4」のコンビだ。XF10-24mmF4はフルサイズ換算15-36mmの汎用広角ズームレンズ。迫力あるスナップショットのほかに、電動スタビライザーを使った動画撮影にもマッチするレンズである。旅には必携の1本。 広角レンズをスナップで使うときはロケ地を注意深く選ばなくてはならない。つまらないベッドタウンで使うとテーマのない散漫な作品になることもあるし、電線や裏山が映り込んでしまうこともある。そういった中途半端な景色ではない、画角が活きるシチュエーションで使いたい。 日本橋では「半端」になる心配がない。あらゆる電柱は地中化され、舞台のように広い歩道がつづく。一方で、角を1つ曲がれば高層建築に囲まれた窮屈な路地に入る。超広角が得意とする"極端なシチュエーション"であふれているのだ。
eizo-gak.comにお引っ越し
みなさんこんにちは、雪原てとらです。今回はみなさんに「eizo-gak.com」というあたらしいブログをご紹介させていただくとともに、その立ち上げ経緯をお話しします。 なぜリニューアルするの? 「書く」ためです。 ゆっくり解説の原稿を50本ほど書いてきて気づいたことがあります。私の楽しんでいる趣味の1つが、執筆作業だということです。YouTubeの動画を完成させるまでにはいくつかの工程がありますが、その中でも原稿の執筆はとくに楽しい。 ブログはそんな私にとってありがたいスペースのひとつです。YouTubeのようにまとまった内容もいらないし、Twitterのように周りの意見を気にする必要もありません。すべてやりたい放題にできる。 書いていて心地よいブログデザイン ドメイン・サーバー・Wordpress・そして対応テーマを用意すれば、誰でもカンタンに良いデザインのサイトを立ち上げることができます。しかしそれだけでは、旧ブログ「digi-gak.com」を続けることがかないませんでした。 心地よく執筆するための「環境の美」が整っていなかったからです。 digi-gak.comでは国産の無料テーマを採用。「あわよくば広告収入を」と一部の記事に広告を付けていました。しかしGoogle Adsenseやテーマの仕様が壁になりレイアウトが整いませんでした。そのデザインは満足のいく「美」とはならず、気が付けば記事執筆よりもカスタマイズに精を出す結果に。 そこではじめて「書いていて心地のいいデザインがなければ、ブログは継続できないんだなぁ」と気づきました。これは私だけかもしれませんが、UIの良さはアプリやサービスを使うモチベーションを左右します。 今回リニューアルにあわせて、海外のあるWordpressテーマを採用しています。カスタマイズに試行錯誤しましたが、ようやく「書くことに集中できるデザイン」に到達した気がします。もちろんダメダメな部分もまだありますがね… ほどよい「美」「執筆」への追求はまだ続きました。 ブログ立ち上げにあたって参考にしたWebサイトがいくつかあります。その1つが FUJIFILMの「X Stories」です。ここにはFUJIFILMが作ったカメラに対する、写真家や開発者たちのTips・レビュー・こだわりなどがアーカイブされています。 X Storiesでは高度なWebアニメーションは使われていません。けれども、写真ギャラリーと文章そのものに「深み」があることで、見ごたえある記事を見せてくれるのです。これこそ理想だ!と感じました。 新・eizo-gak.comがやりたいこと digi-gak.comでは記事を書いたまま放置していることが多いです。映像学区関連の記事も当時は「テキトー」な執筆をしていたので、誤字脱字・曖昧さの残る文章が残っています。今あらためて見ると、とっても恥ずかしい。そしてサムネイルやブログ全体の統一感もほしい。 新しい「eizo-gak.com」では、まず旧サイトの再編集(リライト)をすすめます。サイト公開にあわせて「映像学区」のタグが付いた記事を用意していますが、今後ここに書きこみを増やすことで映像学区にふさわしいアーカイブを作ります。 やりたいことはもう1つあります。写真や小さなクリエイティブ観を表現する場としてeizo-gak.comを使いたい。 私はFUJIFILMのミラーレス一眼を愛用していますが、写真をゆるくアップロードする場は限られています。YouTubeはメインの拠点ですが、じっくり写真を見ていただくには適しません。TwitterやInstagramは手軽ですが、いやでもView数が目に入ってしまいます。もっとゆったりした、自己中心的なメディアが欲しいのです。 映像学区はありがたいことに登録者2万人を抱える中規模のチャンネルに成長しました。視聴者のみなさまへの感謝を忘れることはありません。 でも登録者が増えるにつれ「見られるもの」「需要と供給のバランス」という考えに、私が徐々に染め上がっている気がしているのです。たしかにそれは登録者がいるチャンネルにとって当たり前の責務。けれど、昔のように純粋にやりたいことを好きなようにやるクリエイティブ・チャンネルも確保しておかねば、と焦りを感じました。 知識や思考のアーカイブサイト、View数を無視して作りなおすサイト。それが「eizo-gak.com」です。
写真レイアウトだけでオシャレになる動画編集
動画を編集するとき、写真を取り入れるのはいい方法です。しかし最初は写真のレイアウトに悩むかもしれません。それは小難しいデザインの概念に慣れていないからです。 正しいレイアウトを学ぶことで、動画をスタイリッシュにできます。 この記事では、動画における写真のレイアウトを理解しましょう。 画像優位性効果 テキストと比べて、画像は理解が速い。この性質を「画像優位性効果」といいます。プレゼンテーションの資料や絵本では頻繁に挿絵が登場しますが、動画づくりでも同じことをやればいいわけですね。 いま流行りの「ゆっくり実況」でも、キャラクターイラストを使えるのが魅力です。 アスペクト比 動画と写真では、フレームのタテヨコ比「アスペクト比」が異なります。動画では16:9で、写真では3:2です。 この差は動画クリエイターにとって悩みの種になります。上下の狭い16:9の動画に3:2の写真を載せると、写真の上下がフレームと干渉したり、端が見切れたりするからです。レイアウトを整理する必要があります。 レイアウト例①|四角版 四角版レイアウトは、四隅すべてをフレームに納める方法です。 背景を白くしてみましょう。まるでインテリアや写真展のように、おしゃれなギャラリーを動画の上に作ることができます。 四角版は、複数の写真を並べるときにも便利なレイアウトです。 レイアウト例②|三方裁ち落とし 三方裁ち落としは、写真のうち3辺をフレームの端に寄せるレイアウトです。私の場合、写真とテキストを半分半分で分けるときに使います。 余ったスペースを使って、写真をテキストで説明したり、別の写真を貼ったりしてみましょう。うまくレイアウトが整います。 レイアウト例③|四方裁ち落とし 四方裁ち落としは、画面全体に写真を貼るレイアウトです。隅を犠牲にしますがダイナミックな表現が可能になります。構図に余裕のある写真で使えます。 四方裁ち落としで注意すべきなのは、とにかく構図です。余白のないカツカツの写真で司法裁ち落としレイアウトをやると、不自然な切れ方になります。
FUJIFILM X-T3は金欠オタクを救済する
筆者がカメラを選ぶための基準を紹介します。この基準は、「カメラ1台でムービーもスチルも」という願いがある初心者層~(ミドル)アマチュア層に向いているはずです。条件はいたってシンプルです。 動画も写真もポテンシャルありそう。 安い。 機動性高め。 FUJIFILMのX-T3はこの3つをクリアした優秀なカメラです。 4K59.94p×10bit Log内部記録×JPEG写真の色 スチルカメラでひとつのハードルになってくるのが、4K60pの実現でした。4K撮影ができるとFullHDモニターで見てもその美しさに感動します。60fpsの映像を撮影すれば、あとでスローモーションをかけることができ、表現の幅が広がります。 X-T3がさらに面白いのは、4K60pの状態で4:2:0 10bitが内部記録できることです。これは「カラーグレーディングする際に耐性がある」というふうに思っておけばいいと思います。 HLGのプロファイルを使えばラクなカラー調整ができるほか、F-logでは本格的なカラーグレーディングに対応。逆にETERNAのようなフィルムシミュレーションを使えばグレーディングいらずの素晴らしい映像が本体から出てきます。スチルのJPGもフィルムシミュレーションによって良い色合いを叩き出します。 FUJIFILM X-T3は、現行フラグシップの座をX-T4に譲りました。そのためX-T3の中古価格は10万円を切るようになってきています。4K60pが10万円以下のミラーレスに載っているのは、にわかには信じがたいことです。 4K60pは比較的新しいミドル~ハイエンド一眼カメラに搭載される傾向があります。するとどうしてもカメラボディやレンズや値段が高くなりがちです。 ところがFUJIFILM Xシリーズではこの点を解決できます。APS-Cカメラだけで1マウントを形成しているので、「プロ仕様で快適だ」と感じられるレンズ設計も機能もAPS-Cレンズの価格でゲットできます。 そう、レンズが安い。ふつう20万は平気で持っていかれる純正フラッグシップレンズも、10万円台でゲットできるのです。XF50-140mmF2.8もその一例ですよね。すばらしい。 FUJIFILM Xマウントカメラの機動力 ここでお話しするのは単純なセンサー・レンズによる大きさ重さの問題ではありません。搭載された機能があればカメラ1台で旅に持っていけるか、撮り歩きに適しているか否かというような問題です。 まず、外部にモニターやSSDを付けなくても4K60p 10bitが撮影できます。 「ラン・アンド・ガン」といって、できるだけ小規模の機材セットでなるべく歩き回るのが好きなので、わざわざ外部の収録モニターを付けなくていいのは嬉しいポイント。 できるだけカメラにはSSDやリグ、ケーブルを付けたくありません。スチルカメラで動画を撮るメリットは「とにかく小さくすむ」ということに尽きるからです。 そして、AF(オートフォーカス)が満足に効きます。 動画界隈に愛されるBlack Magic Design、通称ブラマジのBMPCC4Kを選択肢に上げたこともあります。ボディもレンズも比較的安くRAW動画を撮影できるからです。 スタジオで三脚に据えてライティングを作りこんでRAW動画で撮影する、そういった用途であればBMPCC4Kが良いでしょう。でも旅に持ち出すならばBMPCC4Kではやはり無理が出てくると思いました。AF-Cが搭載されていないからです。シネマカメラは作りこむのには向いているけれども、速写性の面ではどうしてもビミョーになります。 FUJIFILMのミラーレスにはAFがついています。初期のXマウント機でAFをやらかしたようで、未だにそのイメージを引きずっていますが、今はたいていのシーンで十分使えるAF性能です。 動画AF-Cも問題なし。SONY機のなめらかなAFには及びませんが、アダプター付きのSIGMA 18-35mm F1.8でも工夫すれば動画AFを使えます。鉄道・スポーツのようなガチの動体撮影をしなければ、FUJIFILMのAFでも満足でしょう。