ゆっくり映像学区の動画シリーズ「銀の世界の写真旅」、第2章では日本の最北端である北海道を目指します。現在鋭意制作中ですが、編集の済んでいるカットから厳選して先行公開します。
本作では、北海道の旭川から稚内までを結んでいるJR宗谷本線を訪れます。厳冬期になると昼間と深夜にラッセルが走る路線です。廃止の続くJR北海道管内でも、この路線は立派な”本線”としてしぶとく生き残っています。
このラッセル列車が走るダイヤは、通常の列車と同じようにほぼ固定されているようです。ただし気象次第。運よく走ってくれると、威厳のある雪かきの姿を拝めるため、撮り鉄のみなさんには人気の列車です。
集落のない森林地帯の中にチラチラと見えるのは、ラッセル列車の作業灯です。私はこの光景をみて、「まるで深海を神秘的に泳ぎ回る巨大生物のようだ」と思いました。彼方に見える線路が少しずつこちらに近づいてくるのを見ると、電動スタビライザーを抱える右手が震えそうになるほど興奮します。
動画はすべて、FUJIFILM X-T3を電動スタビライザー DJI RSC2に搭載して撮影しました。レンズはXF10-24mm F4。いつもおなじみの広角ズームレンズがここでも威力を発揮してくれました。表現豊かな4K60p 10bit収録によって、編集もラクでした。ちょっぴり後悔しているのがホワイトバランスです。AWD(オートホワイトバランス)が転けまくるというX-T3のクセは、覚えておかねばと思いました。
※この撮影は、雪道に慣れているドライバー・周囲を確認する担当・最小限の機材を持ったカメラマンという人員で、余裕ある計画をもとに遂行しています。厳冬期の撮影は危険が伴うので、(万が一)真似をする際は絶対に無理のないよう実施してください。実際に我々は路面のコンディション等を考えた結果、予定の撮影時間を半分で切り上げています。