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TAMRON 11-20mm F2.8 と歩く、東京・御岳山

TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)」は、Xマウント版が2023年に発売されたばかりの真新しい超広角レンズです。今回TAMRONさんのご協力により、このレンズを発売前にお借りしてレビュー動画を制作しました。

舞台は東京・御岳山。JR青梅線に乗っていけば、あっという間に最寄りの御嶽駅に到着です。都心からほど近いこの山はいわば「第二の高尾山」みたいな存在で、手軽に登山を楽しむことができます。ケーブルカーに乗ってショートカットも可能です。ただしそれでは撮れ高がなくなってしまうので、今回は自分の足で登りました。

1本目のレンズに広角を選んだっていい

この動画の趣旨は「レンズレビューを超えて、広角の魅力を知ってもらう」という点にあります。

これは私の偏見ですが、カメラ初心者で1本目のレンズに広角を選ぶ人って、そうそういないと思うんですよ。普通は便利ズームや標準単焦点をチョイスします。その理由はコスト面かもしれませんし、あるいは望遠を捨てるということへの恐怖かもしれません。

ところが、上下の狭い16:9で動画を撮る現代、自分が見たままの風景を伝えるには、意外にも10mm台の超広角レンズがないと苦労します。映画のように構図をがっちり決められればいいのですが、とくに写真旅の場合はそうもいきません。

想定外の被写体と出会うのがある種の「旅の醍醐味」です。しかしいつもレンズ交換できるとは限りません。そんな時、望遠不足よりも広角不足となったときのほうが事態は深刻です。映像の構図をデザインする上で、余白がカツカツだったり、被写体が切れたりするのはあまり美しくありません。

これまでそうした場面でXF10-24mm F4に数多く救われてきましたし、今回もTAMRON 11-20mm F2.8に本当に救われました。とにかくレンズ1本で満足に撮れてしまうのが、広角の最大の魅力です。

目の前を伝える画角

昔からカメラは多種多様な記録に使われてきました。その中には「報道(ルポルタージュ)」という大事な用途があります。現在でも一部のメーカーに「Reporter」とか「News Shooter」のような名前がつく撮影機材が残っています。たいていそういう名前は「どこにでも持ち込めて、何も撮り逃さない」みたいな意味で使われているようです。

広角ズームというレンジは、さっとカメラを構えて目の前の光景を伝えられるという意味で、まさにこの「News Shooter」的な画角といえるようにも思います。狭い登山道で11mmを使えば、良い光景をほぼ漏らすことなく映像素材にすることができる。そして20mmまでズームすれば、手元のかわいらしい被写体に寄っていくこともできる。

超広角というとなんだかトリッキーに感じるかもしれませんが、写真旅で出会った被写体に、一番向き合える画角です。


ギャラリー

写真はすべてFUJIFILM X-T3で撮影し、撮って出し(ノーレタッチ)で掲載しています。

構図探しが楽しくて、つい広角端ばかり使ってしまう映像学区です💦