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XF35mmF1.4と走る新東名高速道路

2021年の年末、父親とミニバンを運転して関西へ出かけました。クルマの免許を取ってからだと、初の超長距離ドライブです。後部座席に撮影機材一式を積んで、朝焼けの横浜を旅立ちます。目的地は私の祖父母のお家です。

いちおう映像系YouTuberとはいえ、まだ沼の浅いところにいる健全な人間です。したがって家族のお出かけくらいでいちいちガチ撮影装備を持っていくことはありません。しかしこのときは少し事情が違いました。関西に出向く理由は、祖父母の映像記録を残すためだったのです。

私は当時、家族からこんな提案を受けていました。「そろそろ高齢になる祖父母を記録しておきたい」と。そんなわけで映像学区で活躍しているFUJIFILM X-T3を貸してほしいと。

その頃、ちょうど「ポートレート・ドキュメンタリー」という形式の作品に出会って、これはいいなと思っていました。ドキュメンタリーというと、大がかりな取材を経た長編作品を想像しますが、実は短編作品くらいなら個人でも作ることができます。ある人物にスポットライトをあて、カメラの前で人生の知見を語っていただく。そうすることで、この世の中にあった考え方の一片を何十年も残すことができるのです。

このとき映像の企画として思いついたのが、「祖父母をドキュメンタリーにしよう」というものです。ゆっくり映像学区として発信してきた内容をフルで活かす機会がきたようで、とても嬉しくなりました。

せっかくですし、しっかりした機材を使って撮影したいなぁと思いました。カメラはもちろん、取材用ワイヤレスマイク・Xマウントレンズ3本・スタビライザー・三脚と、これほどまでに充実した機材を持って、家族と旅するのは初めてでした。

実はXF35mmF1.4はこの取材のために購入したレンズでした。海外ほど広くはない日本の家屋で、人物撮りから物撮りまで対応できる優秀な画角が持ち味です。とろけるボケ感としびれる解像感がクセになります。しかも187gという軽さです。

今日の記事で貼るのは、関西へ向かう道中、35mmの画角に慣れるために撮影した写真です。時速120キロ近くで駆け抜ける新東名高速・新名神高速はとても気持ちがいいですね。帰りの名阪国道もなかなか面白い体験でしたが。