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映像学区がドローンに手を出していない理由

国内海外問わず、近年の映像系YouTuberは小型ドローンやFPSドローンをよく使っています。ドローンの俯瞰ってカッコいいですよね。誰でも安定した品質の映像が撮れるので「すごい時代だなぁ」と思っています。

ドローンの技術は色々なカタチで映像制作にフィードバックされているので、目が離せないですよね。例えば中国のDJIという会社は「ドローンを作っていたら、カメラの手ぶれ補正が分かってきたので、電動スタビライザーまで作っちゃった」という歴史があります。映像学区でも「DJI RSC2」というジンバルをよく登場させています。

ここまでうp主がワクワクしている様子をみると、そろそろ「なんでそこまで気になっているのに、映像学区はドローンを使わないんだ?」と気になってくる頃でしょう。

その理由は「飛ばすうえでの制約がめんどくさい」という1点につきます。

日本の航空法を確認していただくと、それなりの規模の街中でMavic Airを”自由に”飛ばすには、結構無理な解釈をするしかないことが分かると思います。(ここで細かく解説しませんが、それくらい複雑なルールです。YouTuberさんやレビュアーさんも間違えていたり、法律スレッスレを行ったりすることがザラにあるので注意が必要です。)

さらに厄介なことに、ドローンルールは年々厳しくなっています。昔は「300gの機体重量制限をDJIが299gでクリアする」みたいな光景をよく見かけました。でもそういった”いたちごっこ”も時間の問題で終わると思います。持っているドローンが使えなくなるリスクは冒したくないです。

たしかに、日本では趣味でドローンを飛ばせないわけではありません。海岸、洋上、箱根・すすき草原、自分の土地など、ルールを守れば勝手に飛ばしても怒られない場所はいくつかあります。趣味で集まって会場を確保して、ドローンレースを開く人もいます。

しかし負担が大きいのです。カジュアルとは言えないのです。趣味や旅行でドローンを持ち歩くのは、まだ気が進みません。大多数の場所が何らかの法律や書面・口頭での許可を気にすることになって、いちいち面倒くさいからです。厳しい制約で撮影回数が減るのでは、コストパフォーマンスにも影響します。(予算カツカツなのが悪いといえばそれまでですが……)

映像学区は「誰でもできる、カジュアルでカンタンな動画づくり」を謳っているシリーズです。現状ドローンの制約があまりにキツいのを見ると「万人向けじゃないよね」と結論づけるほかないような気がします。

ドローン宅配のような技術が進展すれば、もう少しルールが緩くなる可能性はあるかもしれませんが、まだ道のりは遠いと言わざるを得ません。

映像学区だけじゃないらしい

以前紹介した”ドイツの映像制作おじさん”こと、「Fenchel & Jenish」チャンネルも、実はドローンを使わない主義なんだそうです。2019年に投稿されている「Filmmaking Q&A」という動画で、視聴者から「なんでドローン使わないの?(使えばいいのに)」という質問に答えています。

彼らはその理由として「特にドイツのフランクフルト(活動拠点)では、ドローンの制約や法律がとても厳しく、免許を持っていない個人が飛ばすのは不可能に近い」と指摘しています。どうしても必要な場合は、ドローン映像の専門家に頼るそうです。

これは日本の首都圏と似ている状況で、とても参考になるなぁと思いました。ジンバルにカメラを乗せるくらいなら全く許可も免許も必要ないですが、ドローンになると途端に面倒が多くなってしまいます。この「Fenchel & Jenish」チャンネルは、三脚や単焦点レンズといった、超ド基礎の映像制作を学べる面白いチャンネルなので、ぜひ覗いてみてください。Vloggerとはまた違った観点から勉強できると思います。